えっ!?まさか、ひとり暮らしのはずの彼の部屋から女性の声?【実録シングルマザーの恋愛】
コロナ疑惑の彼に支援物資を持って行ったのに…
シングルマザー歴7年、38歳の会社員「あおいあん」さんが、40歳を目前に再び恋愛に挑む実録連載。第47回をお届けします。 コロナ疑惑の彼の家に支援物資を持って行ったところ、部屋の中から女性の声が!? ---------- 【登場人物】 あん(私)…メーカー勤務のシングルマザー。7年前に離婚し、実家に出戻り。38歳。 息子…生意気盛りの小学生。10歳。 Rさん…Hくんと同じ会社に勤める42歳。結婚歴はナシ。 Cちゃん…あんの同僚。33歳。 Kくん…あんの会社の後輩。25歳。 【前回までの話】 40歳を目前に控え、「私、このままシングルでいいの?」と、ふと我に帰った私。再度恋愛に挑もうとマッチングアプリに登録してみるも、目の前に立ちはだかる様々な現実に直面し前途多難。そんな折、共通の友人とのBBQで出会った男性Rさんと、お互いの“譲れない家族”の存在を確認した上で付き合うことに。そしてある時ひょんなことから息子がRさんとのお付き合いを知ってしまう。その後、正直に話をし3人でキャンプへ行くなど関係を深める中…。 ----------- こんにちは。シングルマザー歴7年のあおいあんです。前回は会社の後輩Kくんとデイキャンプへ行き、その後Rさんとの夜デートのため準備をしていところ、Rさんから「熱が出たからキャンセルしたい」と連絡が。 大きなエコバッグふたつに、考えられるだけの看病用品を入れRさんの部屋の扉の前まで来た私。インターホンを押そうとした瞬間、部屋の中からドタンと大きな音がし、その後Rさんの名前を呼ぶ女の人の声が。 (えっ!? 誰?) 途端に心臓が高速で脈打ち、手に変な汗をかき、抱えてた荷物をなぜかそーっと床に置いた。しばらくドアの前で立ち尽くした。部屋の中にRさん以外に誰かいる? ドアを開けて確認するべき? でも開けなくてもなんとなく想像はできる。手が小刻みに震えてた。 私にはドアを開ける勇気はなく、持っていたエコバッグふたつをドアノブにかけ、駅へ向かった。女の人の声はお母様の声ではなく、かと言ってすごく若い声でもなかった。強いて言えば、私と同じ世代。しかも名前を呼び捨てしていた。多分、元カノ。。。 駅のホームでベンチに座った私は、まるで四方八方高い壁で覆われ、光も届かず、真っ暗な中にうずくまっているようだった。今までのRさんの言葉は嘘だったのか、元カノはなぜ家に来ていたのか、今日Rさんに黙ってKくんたちとキャンプへ行った罰が下されたのか、頭に思い浮かぶものすべてがマイナスで、壁をさらに高く積み上げ出口を見えなくした。 親に出かけると宣言した上、帰る気持ちにもなれなかった私は同僚のCちゃんへ連絡してみた。キャンプの帰り、みんなはそのまま飲みに行くと言っていたから。 私はみんなが飲んでいるところへ合流した。Cちゃんは何があったか問い詰めることなく、暗い表情の私を抱きしめてくれた。もちろんそんな状態で節度ある飲み方なんかできず、ビールにワイン、カクテルと飲んだら酔っ払った。私は息子に囁いた一言をどうしても知りたく、Oくんにしつこく絡んだ。観念したOくんが教えてくれた。 Oくん「僕もママのこと好きだから、先にかっこよく飛び込んじゃうねって言いました」 私「うまいこというね~」 酔っ払いの私は、Oくんの肩をバシバシ叩いた。 Oくん「子供騙しじゃないですよ、息子くんには本心を伝えました」 ん!? 酔っ払いの私には何を言っているのかすぐに理解できず、ニコッと笑って誤魔化した。 翌朝、どうやって帰ったのか分からないほどの二日酔い。ひどい頭痛で何も考えられない頭を、起こすためシャワーを浴びた。徐々に思い出す現実に、浴室を出る頃には二日酔いとは違った吐き気を感じた。 出社中にLINEを開いてみると、Rさんから1件メッセージが届いてた。 Rさん「昨日ドアに支援物資置いてくれたのあんだよね?ありがとう!助かったよ。夜、辛くて病院行ったんだけど、やっぱりコロナだった。しばらく自宅療養だし、会えなくて寂しいよ」 まるで何事もなかったかのような内容。確かに部屋の中で、Rさんの名前を呼ぶ女の人の声がした。あの時、ドアを開けて現場を取り押さえてしまえば、こんな不安な気持ちにならなかっただろうか。でもその勇気はなかったし、現場を見ても不安な気持ちが的中するだけで傷つくことには変わりない。 気持ちの整理がつかない私は、LINEを既読のままにし、返事は返さないでおいた。 そしてLINEにはもう一件メッセージが。Oくんからだ。 Oくん「無事に帰れた?彼氏とうまく行ってないのかな。俺でよければいつでも飲みに付き合います。連絡待ってます」 こちらも放置。もう何もかもが面倒になった。私にはキャパオーバーかもしれない。 結婚する前は恋愛ってもっと楽しいはずだった。例え喧嘩をしたとしても、一生懸命相手のことを思い、仲直りのシチュエーション考えたり…。言うなら恋愛はメインのステーキだったけど、今は付け合わせのポテトくらい。あったら嬉しいけど、なくても困らない。あるならステーキの邪魔をする量や味で出して欲しくない。主張してくるなら最初からいらない。 40代を目前にして、焦って最後の恋愛に挑戦してみたけど、もしかして今の私に恋愛は必要じゃないのかも? というか、メインのステーキは恋愛から息子との生活へと変わり、その分量が大きすぎて、付け合わせのポテトは最初からいらなかったのかもしれない。 Oくんはスルーしておけばそのうち諦めるだろうし、ただの興味本位で連絡してきているだけ。問題はRさん。どんな理由があれ、“彼氏の家に自分以外の女性がいた”という事実は受け入れられない。今はショックで話もしたくないし、Rさんの口から本当のことも言い訳も聞きたくない。 しばらくLINEの通知をOFFにして過ごそう。そう心に決め出社すると、後輩KくんとCちゃんが待ち構えていた。一体ナニ?? (次回に続く)