自民、9条改憲へ論点整理 自衛隊明記が軸、総裁選の争点に
自民党は2日、憲法改正実現本部を開き、自衛隊明記に向けた改憲の論点整理を了承した。現行の9条1、2項を維持した上で、自衛隊を追記する案を軸とする。「ポスト岸田」候補の間では賛同が広がる一方、石破茂元幹事長(67)は戦力不保持を定めた「2項削除」を持論としており、総裁選でも争点の一つとなる見通しだ。連立を組む公明党は9条改正に慎重な立場で実現のハードルは高い。 会合には岸田文雄首相が出席し「自衛隊明記を含む、複数のテーマを一括して国民投票にかけるべく議論を加速させる準備が整った」と述べ、新総裁も論点整理を引き継ぐよう要請した。古屋圭司本部長は「総裁選の議論を拡散させないため、この考え方の範囲内にしてほしい」と求めた。 これに対し石破氏は、自衛隊明記に賛成するとしながら「これで終わりではない。よりよい憲法を目指して努力しなければならない」と訴えた。記者団には「自衛隊明記が実現してから、2項の議論を始めても遅きに失するかもしれない」と述べ、2項削除の主張を維持する考えを示した。