「“売国奴”と誹謗中傷」「ウンチでも食ってろ!と写真を添付」 兵庫県知事選で「斎藤支持派」が暴走した理由
「民意を受けた」と繰り返すが……
兵庫県知事の斎藤元彦氏(47)の選挙違反疑惑を招いた、PR会社社長・折田楓(かえで)氏(33)の衝撃の告白が目下、大炎上中だ。しかし、そもそも斎藤氏はなぜ予想を覆し、再選することができたのか。兵庫県民を熱狂させたフィーバーの舞台裏をひもとくと……。 【写真を見る】「キラキラに見えて実は…」 170万円超のエルメス「バーキン」を自慢する折田氏 ***
「民意を受けた」 11月18日、投開票日から一夜明けて会見を開いた斎藤元彦氏は、この言葉を何度も繰り返した――。 ふたを開けてみれば、斎藤氏が110万票以上を獲得し、2位の稲村和美・前尼崎市長(52)に13万票以上の差をつけて当選となった、今回の兵庫県知事選。 選挙戦を評して「SNSの勝利」「大メディアの敗北」といったフレーズが喧伝されるが、話はそう単純でもないようだ。
「“売国奴”などの誹謗中傷が」
取材に当たった民放キー局記者がこう話す。 「今回は異例ずくめの選挙となりました。斎藤陣営はSNSやユーチューブなどのネットを駆使して支持を取り込み、当初の“稲村氏優勢”の下馬評を引っくり返して逆転勝利を収めた。ただ一方で選挙戦の主舞台がSNSなどに移ったことで、かつてないほど大量のデマや誹謗中傷も飛び交いました」 事実、選挙戦終盤に稲村陣営の選対関係者に聞くと、こんな話を打ち明けられた。 「とにかくデマや暴言がひどい。稲村は外国人参政権に賛成したことはないのに、推進派と一方的にSNS上で決めつけられ、“売国奴”などといった誹謗中傷が殺到した。中にはウンチの写真を添付して“これでも食ってろ”といった投稿もありました」
“言葉の暴力が拡散して、家族が狂乱状態に”
今回の選挙を支配したのが真偽不明のものも含めたネット上の言説だった点は、NHKの出口調査にも表われている。 投票の参考にしたものとして「SNSや動画サイト」が30%でトップを占め、新聞やテレビの24%を引き離した。そしてSNSや動画サイトを参考にした人の7割以上が、斎藤氏に投票したと回答したのだ。 そんな中、「反斎藤派」とネットで名指しされた竹内英明県議が18日、議会事務局に辞職願を提出する騒動も起きた。 「竹内氏は理由を“言葉の暴力が拡散して、家族が狂乱状態までになった。家族から『政治の道から退いてほしい』と話があった”ためだと説明しています」(民放記者) 実は竹内氏は斎藤氏を支援するために知事選に出馬した「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏からも、SNS上で自宅への突撃予告を受けていたという。