北陸新幹線の敦賀延伸だけじゃない、2024年の鉄道の注目イベントは? 新型車両や新観光列車が続々、東海道新幹線は開業60年「鉄道なにコレ!?」【第55回】
「いちろく」は旧大分県農工銀行(現みずほ銀行)頭取だった故衞藤一六(えとう・いちろく)氏から命名。久大線を西へ建設する中で湯平(ゆのひら)駅(大分県由布市)を過ぎた地点で線路をカーブさせることを働きかけ、現在の由布市にある南由布(由布市)、北由布(現湯布院、由布市)の両駅の開設に道筋を付けた。 ▽全てグリーン車以上の観光列車「はなあかり」、上毛電鉄には日比谷線の車両 JR西日本は、全ての車両をグリーン車以上とする豪華な観光列車「はなあかり」を2024年10月に導入する。途中で播但線を通って大阪―鳥取間を走る特急「はまかぜ」に使っているディーゼル車両「キハ189系」の3両編成を改造し、うち1両は2人用個室を10室設けた「スーペリアグリーン車」、残る2両はグリーン車にする。 群馬県の私鉄の上毛電気鉄道は、東京メトロ日比谷線で使っていた「03系」を譲り受けて2月下旬に運用を始める。改造後は2両編成となり、形式名は「800形」となる。上毛電鉄が新形式の車両の運用を始めるのは京王電鉄井の頭線「3000系」を改造した「700形」以来、実に四半世紀ぶりだ。03系は車体の全長が18メートルなのが地方鉄道のニーズに合い、これまでにいずれも地方私鉄の長野電鉄、石川県を走る北陸鉄道、熊本電気鉄道にも譲渡されている。
▽近鉄に24年ぶりの新型通勤用車両、阪急や地方都市の地下鉄にも 関西大手私鉄の近畿日本鉄道は2000年に「シリーズ21」を導入して以来、24年ぶりの新型通勤用車両を2024年秋に導入する。 1編成当たり4両で、座席の向きを切り替えて壁に並んだロングシートにも、進行方向に向かって座るクロスシートにも配置できるようにする。省電力化したインバーター制御装置や、発光ダイオード(LED)照明の採用で「消費電力は従来車両比で約45%削減する」(近鉄)。 同じく関西大手私鉄の阪急電鉄は京都線で新型特急用車両「2300系」、神戸線・宝塚線で新型通勤用車両「2000系」をそれぞれ2024年夏から運用する。2000系・2300系の形式名はともに2代目。うち2300系の1両には阪急で初めての有料座席指定車両となる「プライベース」を設ける。 仙台市地下鉄南北線では新型車両「3000系」、福岡市地下鉄の空港線・箱崎線では「4000系」がそれぞれ2024年秋ごろに営業運転を始める。