北陸新幹線の敦賀延伸だけじゃない、2024年の鉄道の注目イベントは? 新型車両や新観光列車が続々、東海道新幹線は開業60年「鉄道なにコレ!?」【第55回】
▽山形新幹線にパープル×イエローの新型車両「E8系」 JR東日本は「ダイヤ改正」に合わせて3月16日、東北・山形新幹線の新型車両「E8系」の営業運転を始める。 E8系は7両編成で、東京―福島間のフル規格の区間で営業運転する最高時速を300キロと現行車両「E3系」の275キロから引き上げて東京―山形間の最短所要時間が2時間22分、東京―新庄(山形県新庄市)間が3時間7分とそれぞれ4分短縮する。在来線と線路を併用している福島―新庄間は引き続き最高時速130キロとなる。電源コンセントを全ての座席に設置し、荷物を置くスペースをE3系より大型化し、車いす用の空間を広げる。 デザインは、車体の上部に山形県の鳥であるオシドリの紫色「おしどりパープル」、側面に県特産のベニバナをイメージした「紅花イエロー」の鮮やかなラインを配したのが特徴。 JR東日本は「E8系の17編成(計119両)全てが2026年春までに完成する予定だ」と説明しており、代わりに引退するE3系は26年3月のダイヤ改定時までには全て消える見通しだ。
▽九州には新観光列車「かんぱち・いちろく」が登場 JRグループと自治体などが手がける大型観光企画「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」が2024年4~6月に開かれるのに合わせ、JR九州は久大線経由で博多(福岡市)―別府(大分県別府市)間を結ぶ新たな観光列車「かんぱち・いちろく」の運行を24年春に始める。 この列車には観光列車「いさぶろう・しんぺい」に使っていたキハ47形2両を転用することは既に判明していたが、中間車にキハ125形を採用することは本連載「鉄道なにコレ!?」の第47回「JR九州新観光列車、『いさぶろう・しんぺい』と組む〝第三の男〟が判明! 関係筋が明かした予想外の正体は…」で最初に報道した。この事実をJR九州が2023年10月26日に正式発表した。 名称に選ばれた「かんぱち」は、日本酒「八鹿(やつしか)」を手がける八鹿酒造(大分県九重町)の経営者だった故麻生観八(あそう・かんぱち)氏から名付けた。麻生氏は久大線の敷設を求めて鉄道院総裁だった故後藤新平氏らに粘り強く陳情した。