プレミアリーグ、来季からVARを廃止か? この提案を出したクラブとその背景とは
VARは機能しているのか? 数字が示す有効性
VARがサッカー全体にもたらす影響については議論が残るが、審判の意思決定を向上させるという点においては有効であることを数字が示している。 2018年のFIFAの報告によると、VARなしでの審判の成功率は95%だったのに対し、VARがある場合この数字は99.3%まで跳ね上がるという。 「VARが完璧でないことは前々から言っていた通りだ。中には間違いもあるかもしれない。しかし、99.3%という数字が完璧に近いことには同意してもらえると思う」FIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ委員長はそう述べた。 『ESPN』は2月初旬、昨シーズンの25よりは減っているものの、20のVARエラーがプレミアリーグ内で起こっていたことを報道した。しかし、これらのエラーの内訳を詳しく見てみると、改善が行われていることが分かる。 VARエラーの大半(20件中17件)は、リプレー検証が介入すべき判定を見逃したことが原因であり、これらはVARがなかったとしても起こったであろう。一方、VARによる誤審は2つのみで、残りの1つは主審が判定を覆さなかったことによるものであった。 しかしこの改善に伴って、審判がスピードよりも正確さを重視するようになったため、判定までの時間も劇的に長くなった。プレミアリーグはこの事実を認めており、正確さを犠牲にすることなく意思決定のスピードを上げることが今後のカギとなる。
Kyle Bonn、山下晴輝 Haruki Yamashita