プレミアリーグ、来季からVARを廃止か? この提案を出したクラブとその背景とは
VAR廃止を提案したクラブとは?
プレミアリーグの年次総会で投票が行われるためには、それは特定のクラブによる提案でなければならない。VAR廃止を提案したクラブは、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)だ。彼らは2023-2024シーズンにおいて、多くの物議を醸すVAR判定を受けた。 クラブの声明によると、彼らはVARの不具合について特定の個人や団体に非があるとは考えていないものの、この件に関して話し合いを求めているようだ。 「非難するつもりはない。私たちは皆、サッカー界にとって最善の結果を求めているだけであり、全ての関係者がVARを成功に導こうと努力してきた。しかし、VAR導入から5年が経過した今、その将来について建設的かつ批判的な議論が必要だ。我々としては、わずかな精度の向上のために支払う代償は試合に臨む態度に相反するものであり、その結果2024-2025シーズンからこれを廃止するべきだと考える」 『ESPN』の専門家によると、4月初旬の時点でウルブスは3度のVARエラーの犠牲となっており、これはリバプールとノッティンガム・フォレストに次いでプレミアリーグ3番目に多い。またその善し悪しはともかく、VARによって判定が覆ることがなかった唯一のクラブであった。さらに詳しく見てみると、ここ5年間においてVARが絡んだゴール判定のスコアは-17であり、これはリーグ最低の数字である。
2024-2025シーズンから導入予定の半自動オフサイド技術
次のシーズンに向けて確定している1つの変更点は、半自動オフサイド技術だ。もちろんVARの継続が前提ではあるが、これは2024-2025シーズンからプレミアリーグのスタジアムで導入される。 現在のところ、VAR審判団はぎりぎりのオフサイドを確認するために、スクリーンに手動で線を引かなければならないが、これは長時間がかかる上エラーの余地が大きい。『スポーティングニュース』は2023年11月にブンデスリーガのVARスタジオを見学した際、これがいかに大変で何段階もの過程を要するのかを目の当たりにした。 導入に莫大な費用がかかるため世界的にはまだ普及していないものの、この新技術は判定の精度と要する時間の両方を大幅に改善する。手動で線を引く代わりにカメラのシステムがAI技術を使って判定を下し、審判はその後リスタートの位置を定めるだけでいいのだ。 オフサイドの判定とそれに要する時間はファンのストレスの大きな一因となっており、この改善はVARの成功率を向上させるだけでなく、現在VARがサッカー界全体に与えている厄介な評判を一掃することにも役立つだろう。