最下位に沈むペリカンズがロスター解体?一部若手を除き全選手をトレード対象に
■苦しい台所事情
NBAは栄華と再建が常に隣り合わせにある。現在は一時の辛抱を経て、オクラホマシティ・サンダーやヒューストン・ロケッツ、オーランド・マジックが復権に成功している。 次に大掛かりな再建に踏み切るのは、ニューオーリンズ・ペリカンズになるかもしれない。ペリカンズは昨シーズンのプレーオフ進出から一転、今シーズンは5勝22敗で勝率は2割を切り、ウェスタン・カンファレンスの最下位に沈んでいる。 その原因は、目を背けたくなるほどの主力の負傷にあるだろう。2019年のドラフト1位指名であるザイオン・ウィリアムソンは、度重なるハムストリングの負傷により再び戦線離脱。秘めた実力こそリーグ屈指のものであることに疑いの余地はないが、NBAデビュー以降のレギュラーシーズン出場試合数は約45パーセントと、戦力として計算しがたい状況にある。 また、チームの得点源を担うブランドン・イングラムも左足首の捻挫により無期限欠場が報じられた。『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者によれば、背番号14は長期離脱の可能性が見込まれるという。 さらに、現在は戦線に復帰しているものの、2022年にビッグ3の一角として加入したCJ・マッカラムも10月下旬から約3週間、元オールスターのデジャンテ・マレーも同時期から1カ月の離脱となり、ベストコンディションには到達していないほか、球団のエナジーであるホセ・アルバラードもハムストリングの負傷でリハビリ中と、ロスターは“安定”の二文字と対極にある。
■3名を除いてトレード対象に?
マーク・スタイン記者とジェイク・フィッシャー記者による『The People's Insider』の最新の報道によれば、ペリカンズはハーバート・ジョーンズ、トレイ・マーフィー三世、そしてルーキーのイブ・ミッシの3選手を除き、全選手がトレード対象になるという。 ブライソン・グラハムGMが、ゴールデンステイト・ウォリアーズのコーチ時代に優勝経験のあるウィリー・グリーンHCのために、彼らをアンタッチャブルにするのは懸命な判断だろう。 今年で4シーズン目を迎えたジョーンズは、2024年にオール・ディフェンシブ・ファーストチームに選出。オフェンス面での成長も見られ、3ポイントが昨シーズンまでの確率に回復すれば、スタータークラスの3&Dとして長年チームの基盤を支える選手になるだろう。 マーフィー三世も4年1億1200万ドル(約172億3000万円)の契約延長にサインしたばかりで、球団からの期待は大きい。ジョーンズと同様、ディフェンスとアウトサイドに定評のあるバージニア大学出身のフォワードは、今シーズン平均18.2得点でキャリアハイを更新中。また、7フッターのセンタープレーヤーであるミッシは育成枠との見解から一転、大きなサプライズとなっており、これまで19試合でスターターに抜擢され、ルーキー全体の半数にあたる6試合でダブルダブルを記録している。