【一問一答】なでしこ・ニールセン新監督「世界トップに返り咲く」「選手選考は人としてどうかを重要視」
なでしこジャパンのニルス・ニールセン新監督(53)が18日、都内で就任会見に臨んだ。女子日本代表の外国人監督は初となる。会見での主な一問一答は以下の通り 【写真】会見に臨む(左から)佐々木女子委員長、宮本会長、ニールセン監督(撮影・西海健太郎) ――就任にあたって。 「今回、このような就任をさせていただいたことにお礼を申し上げたいと思います。素晴らしいチームの一員になれることを大変うれしく思います。月曜に来日しましたが、初めて日本にくることができました。なんて素晴らしい国だろうと感銘を受けました」 ――目標は。 「日本のチームが世界のトップに返り咲くことを目指しています。日本のチームはそれだけのタレントがそろっていますので、可能だと思っています」 ――なでしこジャパンの印象と、どんなサッカーを目指すのか。 「今の選手は高いテクニックを持っていますし、スピードも早いと思います。日本のチームは優勝できるポテンシャルを持っていると思いますが、もちろんもっとやらないといけない部分があって、本当の意味で勝つようなチームにするためには、またテクニカルスタッフと議論していくことになるので、いずれチャンスがあればお話ししたいと思います」 ――世界一になるために最も大切なことは。 「勝つため、何かを達成するために必要なのは、達成したいという強い気持ちだと思います。そのためには勇気が必要ですし、チャンスがあればそれをつかみ取りにいくことが必要です。チームとしてもスタッフとしても自信を持つことが大事です。シティーでもそうやって来ましたし、ベストな自分であることが何かを達成するために必要だと思います。テクニカルな要素もありますが、まずはハートの部分、勇気を持つこと、自分を信じることが重要視していることです」 ――なでしこジャパンの課題は。 「W杯、五輪と2つの大会を見ていて、いいところはたくさんあったと思います。もっとよくなるところもあります。勇気を持って、大事な瞬間に大事な者をつかみに行くこともそうですが、ボールを持っているときもいないときも戦術的にも改善できると思います。それは自分から支配しに行くことは必要だと思います。いろんなやり方があると思います。ぴったりはまったのがW杯のスペイン戦だったと思います。素晴らしいパフォーマンスだと思いました」 ――日本代表監督に興味を持った理由は。 「マンチェスター・シティーで仕事をしていましたが、プレースタイル的に日本人の選手がフィットしているということで、移籍にも関わることができました。一方で私はコーチという立場に戻りたいという考えを持っていました。その時に日本代表が外国人も候補に入れると聞いて、チャンスがあると思いました。日本を率いることが私の夢だった。元から関心があって、日本も私に感心を持っていただきました」 ――監督としての信念は。 「やはりチーム、集団の中で人間関係を大事にする、いい関係を構築することが必要だと思っています。お互いの考えを安心して共有することが大事だと思います。それがまさに成功への鍵です。ただ、そういったことを達成するためにはハードワークが必要で、自分の最大の努力をすることが必要です」 ――監督としてのタイプは。 「これができないからではなく、これができるから選ぶ、という見方をします。初めて会った選手だとしても、スタッツを見て選ぶのではなくて、人としてどうかを重要視します。そのためにはよく話をしますし、一人一人が集まったときにどういうチームになっていくかを考えています。全員が集まるとこういう形になると想像しながらやっています。それから率直に自分の意見を選手に伝えることをスタイルとして大事にしています。なぜプレーできないか、というのを聞いてくると思いますが、聞かれたら正直に自分の考えを伝えます」 ――コーチ陣の方針は。 「サッカー協会に対しては、日本人のコーチ、スタッフをそろえていただけるようにお願いしています。日本に精通している方が必要だからです。プラス、私が一人外国人のコーチを選んで連れてくることになります。明日、日本のスタッフの皆さんがある程度人選されていると言うことで、日本のスタッフの皆さんと対面します」 ――2月の初陣に向けた選手選考、ゲームプランは。 「1月にまた日本に戻ってきますが、その時に日本のスタッフの方々と視察することになっています。皇后杯は準決勝、決勝を見ることになっています。その中で自分が感心を持っている選手に注目しています。欧州の選手もスカウトすることになります。米国はまだ始まっていませんが、選ばないというわけでもありません。人選としては、今、その時点で準備ができている選手を選ぶ。まだ準備できていないという選手もいますが、今後選ぶ可能性もあります」