23年度決算は過去2番目の規模 京都・福知山市、市税の伸び堅調で実質収支は9億円の黒字
京都府福知山市は、2023年度の決算概要を発表した。一般会計は歳入、歳出とも過去2番目の大型決算で、昨年8月の台風7号の災害対応、原油価格や物価高騰対策、つつじが丘・向野団地建て替えや三和荘整備、人件費の増加などが影響した。歳入から歳出と翌年度繰越金を引いた実質収支は9億円(以下原則1千万円未満切り捨てで表記)の黒字だった。 財政の弾力性を示す経常収支比率は93・7%(前年度比0・9ポイント増)、借金の大きさを示す実質公債費率は9・8%(同0・2ポイント増)でやや悪化したものの、将来負担比率は5・6ポイント改善の28・2%となった。
■歳入:市税が全税目で増収
歳入は511億7千万円で前年度比7・6%増。前年度に続き、市税が全税目で増収となり、個人市民税は給与所得の伸びで増加し、法人市民税は製造業を中心に増えた。 地方交付税は、福知山公立大学の学生数増加などで交付の基準となる財政需要額が増えたほか、台風7号災害関連で特別交付税が多くなり、前年度比3・2%増の121億2千万円となった。地方譲与税・府税交付金などは前年度比1・9%増の30億5千万円。 繰入金は27億2千万円で、前年度比37%増。図書館の電子書籍貸し出しサービス、小学校水泳指導の外部委託、三和荘整備などで、ふるさと納税基金や地域振興基金などから繰り入れをした。 借金にあたる市債は前年度比69・8%増の55億9千万円。つつじが丘・向野団地の建て替え、三和荘整備、地域公民館の大規模改修などで大きく増加した。
■歳出:大型建設事業重なる
歳出は499億1千万円で前年度比9%増。大型建設事業が重なったことによる投資的経費、会計年度任用職員や常勤職員の人件費などが増えた。 人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は232億8千万円で前年度比1・6%増加した。人件費の増加は会計年度任用職員の処遇改善、人事院勧告を受けた職員給与の増加によるもの。扶助費は国の住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業などで増えた。 投資的経費は92億1千万円で前年度比52・4%増。三和荘整備、台風7号災害の復旧などに加え、消防救急デジタル無線の更新、日新、六人部両地域公民館の改修などが重なった。