広島・黒原V方程式入り&防御率1点台誓った 2年連続の活躍へカギは直球の精度アップ
広島・黒原拓未投手(25)が28日、来季の勝ちパターン入り&防御率1点台を目標に掲げた。今季は先発として開幕を迎えるも、4月中旬に中継ぎに転向。そこからブルペンに欠かせない存在となり、53試合で防御率2・11の好成績を残した。2年連続での活躍に向け、直球の精度アップがカギになると分析。強力リリーフ陣の中で地位を確立していく。 ブレークを果たした一年でも満足はしていない。発展途上だと黒原自身が一番理解している。プロ4年目を迎える来季に向け、「まだ自分の中に苦手や弱みがあると思うので、そういうところをつぶす」と飽くなき向上心をのぞかせた。 開幕2戦目のDeNA戦(横浜)で先発を任され、開幕ローテの一人としてスタートを切った今季。4月中旬から中継ぎに転向すると、自己最多の53試合に登板。4勝3敗3ホールド、防御率2・11をマークし、ブルペンに欠かせない存在になるまで上り詰めた。 飛躍の要因に挙げたのがフォームの安定だ。昨年までは二段モーションやセットポジションなどに挑戦。今季は、春のキャンプで足の勢いを使って投げるシンプルなフォームに変更した。「(リリースの)タイミングを投げるうちにつかめた。体の使い方を覚えたというのが一番だと思います」。自分の形を見つけ出せたことが、一番の収穫だった。 数字としてはキャリアハイが並んだが、内容については満足感はない。「登板数は多かったが、そんなに勝ち数もホールドも多いわけではない。やるんだったらしっかり数字を残したい」。防御率についても1点台が目標かと問われると「はい、そうですね」とうなずいた。序列を上げ、勝ちパターンとしてマウンドに立つことを目指す。 2年続けての活躍のカギになると分析したのが、直球の制球だ。今季は投球の約5割を占めた左腕の生命線。被打率・164と躍進を支えた球種に対し、「もっと両サイドにきっちり投げ切れたら。投げ分けできれば、自分の強みが増える。そこをまずきっちりやりたい」と改善点を説明。カットボールなどの変化球を生かすためにも、投球の軸となる直球にさらに磨きをかけていく。 シーズン終了直後は体の疲労を考慮し、肩肘を休めることに注力。疲れに関しては「取れてきています」と回復は順調。すでにトレーニングやランニングなどを再開しており、来年1月は例年通り、母校の関学大で自主トレを行う予定だ。すでに来季への準備に動いている左腕。大きな可能性を示した今季からの進化を止めるつもりはない。