第28回 東京モーターショー1989 三菱&マツダ編|767BがAZ550が、RVRコンセプトが、そしてVR‐4がステージに!
バブル景気によって1988年の自動車販売は急上昇を続けている。日本の自動車メーカーの生産台数も右肩上がりで伸びていった。 この年、672万台あまりを生産し、軽自動車も175万台に迫っている。 【画像10枚】1989年に開催された東京モーターショー。三菱とマツダのブースにの多くの人が集まっていた 年号が昭和から平成に変わった89年も勢いは止まらない。 物品税が撤廃されたこともあり、725万台を超える生産を記録したのだ。日本の自動車産業は、世界が驚くほどの伸びを見せている。 第三勢力と言われた三菱とマツダも元気だ。三菱はパリ・ダカールラリーで知名度を一気に高めたパジェロを筆頭に、RVが好調をキープした。また、87年に送り出したミラージュとギャランも、ターボとフルタイム4WDによって新境地を切り開いている。マツダも5チャンネル体制の確立に、真剣な取り組みを見せた。そして89年は新規のユーノス店にロードスターを送り込み、話題をさらっている。
持てる技術をあますところなく注ぎ込んだ三菱のコンセプトカー
1989年の第28回東京モーターショーに、三菱は多くのコンセプトカーを出品した。なかでも熱い視線を浴びたのが三菱の持てる技術を余すところなく注いだHSRIIだ。 1987年のショーに参考出品したHSRの後継モデルで、エアロダイナミクスをさらに追求している。航空機の最先端テクノロジーを駆使してボディをデザインし、空気抵抗係数は驚異のCd=0・20だ。 画像カメラを使った電子制御のオートドライブシステムや追従クルーズコントロール、自動ブレーキ、自動パーキングなど、今につながる技術をてんこ盛りしていた。 駆動方式はギャランVR‐4と同じフルタイム4WDで、これを進化させたものを搭載する。このショーカーの隣には世界ラリー選手権に参戦するギャランとパリ・ダカ仕様のパジェロを展示した。 三菱ラリーカー 87年のショーにグループA仕様のギャランVR-4を参考出品した三菱は、88年に世界ラリー選手権にワークスカーを送り込んだ。参戦2年目の89年には2勝を挙げ、一気に本命マシンとなる。このラリーカーを展示した。また、パリ-ダカールラリーに参戦し、大活躍しているパジェロも勇姿を見せた。 もう1台、目を引いたのがRVRのコンセプトカーだ。91年に発売される生産型とはデザインが大きく異なっているが、狙いは同じである。量産車よりオープン感覚が強く、デザインのインパクトも強かった。 また、真っ赤なエクリプスを参考出品している。これは提携していたクライスラーとの共同作品だ。生産はアメリカで、90年春に左ハンドルのまま発売された。エンジンはギャランと同じ2ℓの直列4気筒DOHCターボを搭載する。同じ時期に発売するディアマンテも控えめに展示されていた。 軽自動車のミニカも、新しい仲間を出品している。それがハイトワゴンのミニカトッポだ。ルーフを230㎜高くし、ドアを左右非対称とした。バックドアは、狭い場所でも開け閉めしやすいように横開きとしている。 三菱トッポ FF方式に生まれ変わったミニカの全高を230㎜高くして、広いキャビンスペースを生みだした。ワゴンRに先んじた個性派ハイトワゴンだったが、ちょっと早すぎたのか、人気は今ひとつ。