第28回 東京モーターショー1989 三菱&マツダ編|767BがAZ550が、RVRコンセプトが、そしてVR‐4がステージに!
バブル最盛期の東京モーターショーにマツダが展示したコンセプトカーとは?
マツダも意欲作を数多く揃えた。もっとも注目を集めたのはオートザム店に投入する予定のAZ550である。これは92年に正式発売に移されたAZ‐1のコンセプトカーだ。ショーカーはアルミ製のシャシーを用い、その上に3タイプのボディパネルを被せた。 タイプAは量産型のAZ‐1に近いデザインだ。リトラクタブルヘッドライトにガルウイングドアを組み合わせた。タイプBはハードトップを被せた個性派のスポーツクーペで、丸型ヘッドライトを採用している。タイプCは当時のグループCレーシングカーを軽自動車サイズにスケールダウンしたパロティ感覚のショーカーだ。 このAZ550の隣にはル・マン24時間レースに挑戦しているマツダのグループCカーを並べた。この年のマシンはマツダ767Bを展示している。リアに搭載するのは3ローターを4ローターに進化させたロータリーエンジンだ。チャージカラーをまとった発展型の787Bは、91年のル・マン24時間レースで念願の総合優勝を飾った。 マツダ767B 89年シーズンの全日本スポーツプロトタイプ選手権とル・マン24時間レースを戦ったマツダ767B。89年は3台すべてが完走し、最上位は7位だった。 20B型と呼ばれる3ローターのロータリーエンジンにシーケンシャル・ツインターボを積むユーノスコスモも参考出品されている。発売前の最終プロトタイプで、最高出力は秘密のベールに包まれていた。時代に先駆けてGPSを使った衛星ナビを搭載していることも見どころのひとつである。 ユーノス店が立ち上がった直後のショーだっただけに気合が入っていた。発売されたばかりのロードスターにも多くの人が群がっている。地味な展示だったが、動くオフィスを目指し、ラップトップPCなどを搭載したMPVのEXも注目を集めた1台だ。 初出:ハチマルヒーロー vol.46 2018年 3月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部