レスリング日本、28年ロス五輪に向けた新強化体制が発足 史上最多金メダル8個の“パリ超え”が目標
日本レスリング協会は11日、都内で会見を開き、28年ロサンゼルス五輪に向けた新強化体制を公表した。強化本部長に就任した2004年アテネ五輪男子フリースタイル60キロ級銅メダルの井上謙二氏は「パリ五輪では日本レスリング史上最高の成績を収め、日本の強さを証明してくれた。ロスに向けてはこの記録を超えるべく、選手や各所属との関係をより一層強化して精進していく」と所信表明した。 今夏のパリ五輪で日本は金8、銀1、銅2のメダル11個と過去最高の成績を収めた。この結果を受け、来日しての練習参加を希望する海外選手が続出しているという。既に各所属レベルで受け入れを行っており、井上氏もこの好機を生かし、全日本合宿への受け入れや国際大会の招致に前向きな姿勢を示した。「国内で海外の強豪選手が集まった合宿を男女ともにできれば。若い選手も呼んで、それが大きな刺激にもなると思う。ぜひ海外の選手を呼んで強化合宿を実施したい」と“パリ超え”への強化につなげたい考えを語った。 各スタイルの強化委員長も決まった。女子は金浜良氏が再任。男子はフリースタイルが湯元進一氏、グレコローマンスタイルは松本隆太郎氏が務める。金浜氏は女子は金4を含む全6階級でメダルを獲得したパリ五輪を踏まえ、「今以上の成績を残せるように頑張りたい」。湯元氏は海外武者修行などで重量級の強化を図り「全階級五輪(出場権)獲得を目指す」と目標を設定。松本氏もグレコの全階級出場と「金を含む4つのメダルの獲得を目指してやっていきたい」と抱負を述べた。 新体制でロス五輪へスタートを切る大会は、全日本選手権(19~22日、東京・代々木第二体育館)となる。来年9月の世界選手権の代表選考大会の一つ。パリ五輪の女子68キロ級で銅メダルを獲得した尾崎野乃香(慶大)が本来の62キロ級でエントリーしたほか、10月の非五輪階級の世界選手権で優勝した清岡もえ、石井亜海(育英大)、男子グレコ77キロ級で東京五輪銅メダルの屋比久翔平(ALSOK)らが出場する。井上氏は「ロスに向けての第一歩。若い選手たちの勢いはもちろん、経験者やベテランの強さにも注目したい」と語った。
報知新聞社