じつは缶詰じゃない? 明日から話せる「アンチョビ缶」にまつわるトリビアをすべて教えます
■野菜がいくらでも食べられる
さて、我が家にも賞味期限を過ぎたアンチョビ缶があった。冷蔵保存していたけど、開けてみたら身がすでに褐色に変化していたのだ。 こいつをアウトドアに持ち出し、ニンニクと一緒に刻んでオリーブ油で加熱して、レッドペッパーも加えて、シンプルに焼いた春野菜にぶっかけてみた。菜花のわずかな苦みに、新ジャガのみずみずしさ。葉のすみずみまでジューシーなブロッコリー。それら春の贈り物に塩辛くオイリーなアンチョビソースがよく合って、いくらでも野菜が食べられそう。まさにアンチョビさまさまな、お手軽料理であります。 このように余計な調味料なしでも、食材のポテンシャルを引き出しておいしく仕上げてくれるのがアンチョビ缶の素晴らしさ。お宅の冷蔵庫に余っている野菜はありませんか? 黒川 勇人(くろかわ はやと) 缶詰博士。1966年福島県福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界53カ国の缶詰をリサーチ。 缶詰にまつわる文化や経済、人間模様も発信している。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。「SDGs災害食大賞」「LOCAL FISH CANグランプリ」「未来の食卓アワード」審査員。 近著、初のエッセイ本『缶詰だよ人生は』(本の泉社)が絶賛発売中! 他『缶詰博士が選ぶ「レジェンド缶詰」究極の逸品36』(講談社)など。マイナビニュースに缶詰エッセイを連載中。
黒川 勇人