AIエディター「Cursor(カーソル)」初心者向けガイド、VS Codeベースの使い勝手とは
プログラミング支援ツール分野では「GitHub Copilot」がメジャーだが、最近のコミュニティの関心は「Cursor(カーソル)」に向けられている。Cursorとは、VS Codeをベースとするコーディングツールで、最新のAIモデルを統合した各機能が人気を呼び、「AIエディター」としても口コミでユーザー数を大きく増やしている。Cursorとはどのようなツールなのか、その概要とステップ・バイ・ステップでの利用方法を解説したい。 【詳細な図や写真】AI分野の第一人者、アンドレイ・カーパシー氏も高く評価(Photo/Shutterstock.com)
最新AIモデル活用、Webをサクサク作れる「Cursor」とは
AIコーディング支援ツール「Cursor」が、開発者コミュニティで急速に注目を集めている。このツールは、OpenAIのGPT-4oやAnthropicのClaude 3.5 Sonnetなど、最新の大規模言語モデル(LLM)を統合し、インテリジェントなコード提案や自動エラー検出、動的コード最適化などの機能を提供する。 もともと高い関心が寄せられていたCursorの注目度を一層高めたのが、AI分野の第一人者であるアンドレイ・カーパシー氏の発言だ。 元テスラのAI責任者で、OpenAIにも在籍した経歴を持つカーパシー氏は、X(旧Twitter)への投稿で、GitHub Copilotの代わりにCursorとClaude Sonnet 3.5を試用していることを明かし、「純粋にすごい(a net win)」と評価したのだ。 カーパシー氏は、Cursorを使用した最近の経験について、「ここ数日間、私の『プログラミング』の大半は英語を書くこと(プロンプトを作成し、生成されたアウトプットを確認・編集すること)になっている」と発言。さらに、「コードの最初の部分を書き、LLMが計画を理解できるようにコメントを少し加え、そして補完をタブで進めていく『ハーフコーディング』を行っている」と説明、このツールを使うことで、コーディングの速度が大幅に向上したと強調している。 Cursorの特筆すべき機能には、インラインコード生成、既存コードとの対話、タブによる自動補完、チャットインターフェースなどがある。これらの機能を活用することで、Webサイト構築のプロセスを大幅に効率化することが可能となる。 Cursorの開発元であるAnysphereは、8月に6,000万ドルの資金調達に成功し、その評価額は4億ドルに達している。この資金調達は、ジェフ・ディーン氏、ジョン・シュールマン氏、ナット・フリードマン氏、ノーム・ブラウン氏など、AI業界の重鎮が多く参加したことで話題となった。 カーパシー氏は1年以上前に「最もホットな新しいプログラミング言語は英語だ」と述べていたが、Cursorの登場により、その予言が現実となりつつある。Cursorは、AIとプログラミングの融合における新たな試金石となる可能性を秘めており、今後の展開が注目される。