オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」は何がスゴイ!? 名品と呼ばれる理由を徹底解説!
「ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン」
複雑機構もオーデマ ピゲが得意とするところ。ロイヤル オークに組み合わせることで、よりラグジュアリー要素を高めています。 本モデルでは、アイコニックな八角形ベゼルをフロステッドゴールド仕上げに。時計師が手ずから突起状の電動ハンマーを繰り返し打ち付けることで、独自のテクスチャーを生み出しました。 ブウランのダイヤルは、手打ちで優雅なディンプル模様が織り成した上から、サークル状のサテン仕上げが施されています。工芸的な美を放つ外装が、フライング トゥールビヨンを一層魅力的なものにしました。 構造上どうしても高さが必要となるトゥールビヨンを自動巻きに搭載しながら、ケース厚を10.6mmに抑えてみせたのも、優れた技術力の賜物です。
「ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー」
オーデマ ピゲは先端素材の採用にも意欲的で、チタンやセラミック製ケースのロイヤル オークも生み出して来ました。 こちらは、外装にメゾン初のブルーセラミックを用い、全体をブルーのトーン・オン・トーンでスタイリッシュに装いました。極めて硬いセラミックであっても、ヘアラインとポリッシュとに完璧に仕上げ分けているのは、お見事。 搭載する永久カレンダーは、初代ロイヤル オークから長く用いてきたCal.2121をベースとした薄型設計で、複雑機構搭載でも、9.5mm厚という薄いケースを叶えています。時分針と同軸にある針は、秒針ではなく週数表示。 超高精度のムーンフェイズのディスクにはアベンチュリンを用い、そこに配した月は、リアルな姿が再現されています。
ロイヤル オークの生みの親、ジェラルド・ジェンタを知っていますか?
スポーティとラグジュアリーとを融合する──この難問を解決するため、オーデマ ピゲが白羽の矢を立てたのが、1954年からフリーの時計デザイナーとして活躍していたジェラルド・ジェンタでした。 オーデマ ピゲから依頼を受けた1970年は、デザインした時計が国際的な賞に輝き、ジェラルド・ジェンタSAを設立した翌年です。会社存続をかけた重要の仕事に際し、ジェンタは自らをホテルに軟禁してデザインに向き合いました。そして驚くことにたった一晩で、最初のデッサンを描き上げたとか。 上掲がそのスケッチで、すでにロイヤル オークを構成する主要なディテールが出来上がっています。前述したラバーのカップにムーブメントを収める構造も、ジェンタのアイデア。 デザインだけに留まらず、時計製造全体に精通していたからこそ、スポーティとラグジュアリーとを融合する難問を解決できたのです。その後も、数々の傑作時計を世に送り出した彼を、人は称して“時計界のピカソ”。多くの時計関係者が天才と認めたデザイナーは、2011年に家族に見守られこの世を去りました。