オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」は何がスゴイ!? 名品と呼ばれる理由を徹底解説!
世界的に入手困難な状況が続いている、オーデマ ピゲの名作『ロイヤル オーク』。なぜ、それほどの人気を博しているのか!? ラグジュアリースポーツというジャンルを生み出した傑作時計の魅力と、秘密を歴史からメカニズムまで完全解説します。
オーデマ ピゲの代表モデル「ロイヤルオーク」はなぜ傑作と呼ばれるのか?
時計が傑作と呼ばれるには、必ず理由があります。ひと目でそれと分かるアイコニックで美しいデザイン、革新的な機構、エポックメイキングなコンセプトなどなど。 ロイヤル オークはこれらすべてを兼ね備えているからロングセラーとなり、大ヒットを続けています。50年以上前に生まれたモデルが、今も傑作と呼ばれ、進化し続けている理由を、徹底解析します。
一大ジャンルとなったラグジュアリースポーツは、ロイヤル オークが生み出した!?
1972年に誕生した初代ロイヤル オークは、イタリア市場からの「週末のセーリングやドライブに使え、かつ夜の社交界でも着けられる万能な時計」との依頼から誕生しました。当時は、クオーツショックに見舞われ、機械式時計にとっては冬の時代。オーデマ ピゲは、スポーティでラグジュアリーという相反する難問に挑み、活路を見出そうとしたのです。 そうして生まれたロイヤル オークのブレスレット一体型のフラットな薄型時計というスタイルは、現在に続くラグジュアリースポーツウォッチ(通称、ラグスポ)という一大ジャンルを築き上げることになったのです。 その魅力を3つのポイントで解説いたしましょう。
POINT 1 ステンレス素材をドレッシーに仕上げた
ロイヤル オークは、オーデマ ピゲ初のSS(ステンレススティール)ウォッチでした。高級時計=ゴールド製が当たり前の当時、SSをラグジュアリーに昇華できた重要なポイントのひとつが、外装の丁寧な仕上げ分けです。 マットなヘアライン仕上げはスポーツウォッチの、輝くようなポリッシュ仕上げは高級時計の、それぞれ常套でした。そしてロイヤル オークは、ケースやベゼル、ブレスレットの表面全体をヘアラインで仕上げ、側面や面取りしたエッジはポリッシュし、完璧な鏡面状にしています。 こうすることでSS製の外装にメリハリをつけ、造形を際立たせて高級感を創出したのです。 しかし、硬質なSSを加工するのには大変な手間がかかります。例えば、ベゼルだけでも完成するまでには、28の工程を経るとか。オーデマ ピゲは美の創造のためには手間暇を惜しまないのです。