【ワールドシリーズ】ドジャースvsヤンキース"MLB最強打者対決"を制するのは大谷か!? ジャッジか!?
■山本vsコール、究極の投げ合いは? 投手でも注目の比較がある。ドジャースの山本由伸と、ヤンキースのゲリット・コールだ。日本で3年連続沢村賞に輝いた山本に対し、コールは昨季のサイ・ヤング賞受賞者。日米で投手最高の栄誉を獲得したふたりがワールドシリーズで激突する。 「山本はシーズン途中に右肩を痛め、コールも右肘の炎症で大きく出遅れました。しかし、共に戦列に復帰した後は素晴らしい投球を見せているのも共通しています」 先ほどの再現性と対応力の話でいえば、山本は再現性タイプだが、「対策されたり、紙一重で打たれなかったボールが微妙に変わったりするととらえられてしまう」という側面もある。 実際、MLB1年目の山本は今季、この点で苦労する場面もあった。 「再現性が高いがゆえに、徹底的に研究されると癖や球種がバレてしまい、それを気にすると今度は本来のフォームで投げられず、球の質が悪化して対応されてしまう、という悪循環に陥るケースも......。 山本の場合、特に地区優勝を争ったパドレスには癖を見破られていたのか、レギュラーシーズン開幕戦での1回5失点から始まり、地区シリーズ初戦でも3回5失点を喫しました」 それでも、地区シリーズ第5戦に先発し、5回無失点と見事にリベンジ。再現性タイプでありながら、高い修正力も持ち合わせているのが山本の特徴なのだ。 「昨年の日本シリーズでも初戦で炎上した後、次の登板では新記録の14奪三振で制圧しました。パドレスとの地区シリーズでは、初戦で多投したスプリットを変化球ケアで対応されたので、次の登板ではそのスプリットを減らし、高めのフォーシームを増やしていました。こうした山本の修正能力や頭の良さ、勝負強さはやはり素晴らしいなと再確認できました」 ワールドシリーズでも、優勝するためには初登板での結果以上に、次の登板の出来が鍵を握るはず。どの球種が重要になるのか? 「私が以前から『スラッター』と呼ぶ縦のスライダーで空振りがどれだけ奪えるか。日本時代の決め球であるスプリットだけでなく、スラッターやカッターが重要になります」 ドジャース移籍が決まる直前まで、ヤンキース入りが濃厚と報じられていた山本。その因縁の相手にどんな投球を見せるのか、注目だ。