「住友電工」は上昇ステージ第2幕、通期利益予想を上方修正 電線御三家で最割安、株価低位の魅力
【凄腕アナリスト ザ・覆面】 3月期企業の第2四半期(4―9月)決算発表が終了し、株式市場は年末年始と年度末をにらんだ相場展開を見据える時期に入った。 対中国貿易での強硬姿勢や関税引き上げ、国内産業ファーストの政策推進が見込まれる次期トランプ米政権の発足をにらんで、日経平均は4万円回復を前にして伸び悩む展開が続いている。強弱感が対立しボックス相場が継続すると仮定した場合、好業績株と業績悪化銘柄の株価二極化現象は、この先一段と鮮明化してくる可能性が高い。これは個別銘柄だけでなく、半導体関連に物色人気が傾斜しすぎた業種別でも同じことがいえる。 業績好調組の業種としては、ここまで市況上昇を受けた海運や防衛関連予算の増額メリットを享受する総合重機などが買われてきた。 ここに新たに電線株も加わってきている。この業種の中でも業界大手の銘柄が、循環物色で買い進まれている。年初の大手海運(日本郵船・商船三井・川崎汽船)、年度前半の大手総合重機(三菱重工・川崎重工・IHI)がその代表例だ。現在は大手電線株の中でフジクラに続いて古河電気工業が上昇相場を演じている。 そして、電線御三家の筆頭格である東証プライムの「住友電気工業」(5802)に出番が巡ってきているタイミングだ。 住友電気工業は、1日の今2025年3月期第2四半期連結決算の発表と同時に通期連結利益予想を上方修正した。売上高は前回予想から500億円減額の4兆5500億円(前期比3・3%増)、営業利益は同100億円増額の2600億円(同14・7%増)、当期利益は50億円増額の1500億円(同0・2%増)にそれぞれ上方修正した。 売上高は主力材料の銅価の影響を反映して減額されたが、利益は上半期の好調と売価改善が寄与し、当期利益は減益予想から一転して小幅ながら増益で、営業・経常利益とそろって連続で過去最高益更新となる。また、通期の営業利益の増額幅は、上半期の増額額を33億円強下回る形で、下期は慎重な見込み。 電力設備投資の増加やデータセンター向け光デバイスの需要拡大など事業環境は良好で、期末配当も前回予想から5円増の41円として第2四半期末配当と合わせた年間配当を前期と同額の77円に引き上げている。