米国・欧州に続く海外進出の道、アジアンツアーが“第3のルート”
男子プロの場合、海外進出というとPGAツアーやDPワールドツアーといった欧米を指すことが多いが、今ひそかにアジアンツアーが注目を集めている。2024年11月26日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で、アジアンツアーの実情を特集しているのでお裾分けしよう。
アジアンツアーの勢いは日本ツアー以上!
アジアンツアーは以前、アジアの5カ国で開催されていた「アジアンサーキット」に端を発する。当時、日本ツアーが最終戦となっていて、アジア諸国を回るような日程だった。若手プロたちの“武者修行”の場としてとらえられることが多く、開始当時、1962年の賞金総額は約7万ドルで、1試合当たりの賞金額は500万円程度(当時のレートは約360円)だった。「アジアンサーキット」から世界へ飛び立った有名選手は多く、グレッグ・ノーマンもその1人だ。 しかし、現在のアジアンツアーは、賞金総額や獲得できる世界ランキングのポイントが日本のツアーよりも多くなっている。ちなみに、米下部ツアーよりも賞金総額は高い。 2022年にサウジアラビアの政府系投資ファンドであるPIFが設立したLIVゴルフインベストメンツがアジアンツアーに約450億円の投資を決定。年間スケジュールに高額賞金の「インターナショナルシリーズ」試合が追加され賞金総額がはね上がった。
インターナショナルシリーズの年間ランキング1位の選手には、翌年のLIVゴルフリーグへの出場権が付与されるので、アジアンツアーからLIVゴルフリーグへの出場を目指すルートもできている。さらに、2022年の世界ゴルフランキングの新システムへの移行で日本のツアーで獲得できるポイントが減ったため、日本からメジャーを目指すのが難しくなっている。そのせいか、今年アジアンツアーのQTファイナルに参戦した日本人選手は26人。そのうち7 名の日本人選手が通過。 「ニュージーランドOP」で幡地隆寛が優勝、「シンハンドンヘOP」で平田憲聖も優勝と日本人選手の活躍も目立つ。 まさに今、アジアンツアーは世界進出への“第3の道”となっている。