更年期で自分も周りも消耗しないで――産婦人科医が語る、健やかに生きるための更年期対策
更年期で消耗しすぎないで
高尾:女性のほうも、なるべく気持ちのアップダウンの幅を意識しておくこと。そうすると、今すごく怒っている状態でも「前と比べるとピークは落とせたかな」とか、自分なりの判断が冷静にできるようになっていきます。 H:女性も男性も、更年期についての知識と、客観的な視点を持つことが大切ということですね。 高尾:更年期は人生の曲がり角という表現があります。トップスピードで曲がり切ろうとせず、なるべく事故を起こさないようにスピードを落としてゆっくり曲がって、そこからまた走ればいい。閉経後の30年を、いかに元気に楽しく過ごすかが大切です。更年期で自分の心と体、周りの人間関係を消耗してしまうのはもったいないことだと思います。消耗してしまわないために、まずは更年期についての理解と生活習慣の見直しから準備をしてほしいですね。 ___ 高尾美穂(たかお・みほ) 産婦人科専門医。女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長。医学博士。スポーツドクター。ヨガドクター。東京慈恵会医科大学大学院修了。同大学附属病院産婦人科助教などを経て2013年から現職。医療・ヨガ・スポーツの三つの活動を通じ、専門的な知識をわかりやすく伝える啓発活動に精力的に取り組む。著書に『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』『いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル』(ともに世界文化社)、『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』(日経BP)など。