米軍「オスプレイ」福岡空港に初飛来 抗議の声も 日・米・韓の合同訓練 最前線の海へ… 【福岡発】
東シナ海が舞台 日米韓の思惑
「東シナ海を航行中の原子力空母ジョージワシントンの艦上です。日・米・韓3カ国の合同訓練が行われていて沖には日本の護衛艦でしょうか、艦影を確認することが出来ます」とレポートする記者の声も飛行甲板に並ぶ艦載機の騒音にかき消される。 この訓練は、2023年秋の3カ国首脳の合意に基づくもので、覇権主義的な動きを強める中国とミサイル発射を繰り返す北朝鮮を念頭に、日米韓の協力体制を確立するのが狙いだ。 2024年6月に続いて早くも2回目となる今回は、弾道ミサイルへの対処や対潜水艦作戦など複数の領域に最新鋭のステルス戦闘機F-35Cを投入し、その効果を実証することが目的とされている。 中国にとっては大きな脅威となることから電波や通信を傍受する中国の情報収集艦と見られる船が、空母から見える距離まで近づいていた。東シナ海は、まさに最前線の海だ。
アメリカの政権移行を前にした動き
空母打撃群を率いるニューカーク少将は取材に「F-35は世界最強の情報収集、共有能力があり(情報を共有する)味方機の生存率が向上する」と優位性を解説。海自部隊を指揮する第4護衛隊群司令の夏井隆・海将補は「基礎的な訓練からあらゆる領域にわたる訓練を3カ国で行うことで相互運用性が向上し、理解の促進にも繋がる」と報道陣に意義を強調した。 またアメリカのエマニュエル駐日大使は艦上で開いた会見で、日米韓の共同訓練は地域の安定のために今後も続いていくものだと強調。さらにトランプ氏への大統領交代の影響について「好ましい例えではないが」と前置きした上で「この問題は首脳の任期ではなく、国の抑止戦略に紐付いたものだ。インド太平洋、特にこの地域は中国のホームゲームでアメリカにとってはアウェーゲームである。しかし同盟国としっかり協力して攻守にあたればホームゲームに近くなる」と述べた。 政権移行で離任するとみられるエマニュエル大使は影響を否定したものの、日米韓が次期トランプ政権を見据えて協力体制の固定化を急いでいるのは明らかだ。 福岡空港に初めて飛来したアメリカ海軍のオスプレイ。安全保障の波が高まる最前線の海を舞台にした日米韓の戦略上の思惑と、アメリカの政権移行を前にした3か国のあわただしい動きが福岡でも垣間見えたかたちだ。 (テレビ西日本)
テレビ西日本
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