バイクのヤマハが医療分野にも参入、ロボット技術活かし「細胞研究のベストパートナーに」
初搭載となるAI機能は、研究現場から提供されたデータ等に基づき、必要とされる条件の細胞をAIが学習し、自動で選別。従来機では識別が難しかった条件でも、対象細胞を検出・収集することが可能となった。またこれにより幅広い研究分野への活用も可能となるという。
カメラは細胞までの高さ方向の認識を強化するオートフォーカスを初採用、動画撮影が可能になり細胞の拍動等の記録も可能となった。タイリング画像の自動生成や20倍の対物レンズの追加などがアップデート。トレーサビリティが向上することで、研究データの信頼性向上にも寄与する。また10□mから500□mまでの細胞をダメージ少なく吸引・吐出する特殊チップを備えた、高精度に制御された8連ヘッドは約20%の高速化を実現するなどにより、研究効率の向上が見込まれる。
ヤマハは2030年に向けた長期ビジョンとして「ART for Human Possibilities 人はもっと幸せになれる」を掲げ、ロボティクス技術の活用により人々の可能性を広げ、より良い生活と社会の実現をめざすとしている。2022~24年の中期経営計画においては、モビリティサービスや低速自動走行、農業と並び、医療・健康を「将来のコア事業を生み出すための新規事業」のひとつと捉えており、事業化による売上高の創出をめざしている。
セルハンドラーツーは売り切り型ではなく、AIのアップデートやメンテナンス、アフターサービスを含めたビジネスモデルとしており、将来的には蓄積したAIのノウハウなどを元にデータビジネスも視野に入れる。2025年3月より販売を開始、現在の顧客は国内が中心だが、海外でのさらなる展開もおこない年数十億円規模の売上創出をめざすという。
レスポンス 宮崎壮人