このままでは「第2の大谷翔平」は現れない…欧州移住でわかった「自己肯定感の低い日本人」が量産されるワケ
■「自己肯定感を高めること」に注力したほうがいい 以前講演に呼んでもらった中学校では、校長先生が自己肯定感を何よりも大切に考えているとおっしゃっていました。実際にその学校の子どもたちは、とても生き生きとしていて嬉しくなりました。全国を周っていると、そんな学校も増えてきているように感じます。 私はよく、自分の身に起きること=天候に、自己肯定感=家にたとえます。雨が降ろうが風が吹こうが、雷が落ちようが地震が起きようが、家が頑丈であれば平気なわけです。反対に、家がボロボロであれば、少し悪天候になっただけでひとたまりもありません。有名な絵本『三匹のこぶた』もそうでしたね。 多くの人はこの「天候」のほうを、悪くならないように願ったり、コントロールしようとしたりするんですが、そんなことは不可能です。自分の人生に何が起きるかをコントロールできないように。お願いなんて、てるてる坊主ぐらいの効き目しかありません。生きていれば、天候が良い日もあれば悪い日もあるのはあたりまえのことです。 ただ、天候を操ることは不可能でも、家を頑丈にすることは可能なんですね。自分がコントロールできないものに注ぐ時間とエネルギーがあるなら、自分がコントロールできるものにひたすら注ぎましょう。 頑丈な家は、ローマと同じように一日にして成るものではありませんが、地道に取り組めば必ずつくれるものです。一生モノの、ビクともしない家をつくりましょう。自分だけではなく、自分の大切な人も招き入れて守ってあげられるような、強くてあたたかい家(=自己肯定感)を。 参考文献 ・「令和5年度 我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」 ・「National Health Service(国民保健サービス)」 ---------- 谷口 たかひさ(たにぐち・たかひさ) 環境活動家・実業家・作家 1988年大阪生まれ。10代で起業し、イギリスへ留学。卒業後、アフリカのギニアで学校設立に携わり、メガバンク/M&A/メディアのコンサルタント、グローバルIT企業の取締役を経験した後、ドイツへ移住し、起業。2019年、ドイツで気候危機の深刻さを目の当たりにし、現在も気候危機に関する講演を続けている。 ----------
環境活動家・実業家・作家 谷口 たかひさ