札幌市の中1いじめ自殺訴訟、市側が賠償責任認める意向…飛び降り自殺未遂を「いたずら」処理
札幌市立中学1年の女子生徒(当時12歳)が2021年、小学校から続くいじめを苦に自殺した問題を巡り、生徒の両親が市に計約6500万円の損害賠償を求めた訴訟で、市側が賠償責任を認める意向を示したことが分かった。市側は和解による解決を希望しているといい、札幌地裁で9日、原告側と被告側の見解の確認などが行われた。 【図表】いじめなどに苦しむ子どもたちの相談窓口はこちら
訴状や市教育委員会が設置した第三者委員会の調査報告書によると、女子生徒は小学5年だった19年11月以降、アンケートなどでいじめ被害を訴えていたが、学校側は具体的な対応をしなかった。卒業直前の21年3月には、校舎屋上から飛び降り自殺を図ろうとしたにもかかわらず、学級担任は情報共有せずに「いたずら」として処理。進学後も被害は続き、生徒は同年10月に自宅で自殺した。
市教委は今年2月、小中学校の対応の落ち度を認め、当時の校長らを処分している。市の担当課は取材に「(賠償責任を)積極的に争わず、早期解決を望んでいることを裁判所に申し出た」と回答した。