【デーブ大久保コラム】巨人の7連勝は実力があるから。ただ、優勝争いはまだまだ混戦です
【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】 巨人が7月13日のDeNA戦(東京ドーム)で6対1と快勝し7連勝を決めました。実際に実力のあるチームではないと5連勝以上はしませんので、巨人は真の実力があるのだとあらためて思いましたね。 【選手データ】丸佳浩 プロフィール・通算成績・試合速報 どうしても打線に目が行ってしまうのですが、今年は丸(丸佳浩)の打撃が好調で打率3割を超えていますし、試合にも多く出続けています。これはチームにとっても非常に大きいです。昨年は打率が2割4分台と低迷しました。打撃チーフコーチとして近くで見ていましたが「これで現役が終わるかもしれない」という雰囲気で一生懸命、練習に取り組んでいました。 その必死な状況で、前監督の原(原辰徳)さんとヘッドコーチだった阿部慎之助現監督が話し合い、二軍でミニキャンプをさせるために時間をつくったりとさまざまな取り組みをしていました。そのときに丸自身、腐ることなく真剣に向き合っていた成果がいま結果として出ているのだと思いますね。そういうものは結果がすぐに出ないときがありますが、必ずどこかで、努力が実る時がくるのです。それが現在の丸の打撃になっています。 そしてもう一人、途中加入のエリエ・ヘルナンデスです。よくもまあ、こんな素晴らしい打者が、この時期にマイナーに残っていたよなあ、と思います。当然、どんなすごい打者でも、どうしても低めに落ちていくボール球には手を出してしまいます。そこは仕方ないことでもありますが、それ以外のコースをきっちりと打てるのはすごいです。打率.343(14日現在)で、出塁率.391というのは脅威ですし、何より得点圏打率が.359と打率を上回っている。これはほとんど攻略する場所がないという感じでしょう。しかし、ここから各チームのスコアラーなどにより、弱点があぶり出されます。そのときにどういう対応をするのかが楽しみでもあります。 先発陣も素晴らしいです。戸郷(戸郷翔征)は当然のこと、山崎(山崎伊織)もしっかりと試合をつくっていますし、菅野(菅野智之)が完全復活を果たしています。これだけ先発がしっかりしていると、大きな連敗がなくなります。チーム全体に不安がなくなるので、連勝も起こりやすくなるのです。 さて、ここからセ・リーグのペナントレースがどう進んでいくのか。巨人は7連勝したのですが、まだまだ4位までの差は4ゲーム差以内です。まさに団子状態で、この上位4チームは同じくらいの力を持っていると言えるでしょう。そうなると、何かのミスでチームがガタガタと崩れるチームが出てくる可能性があります。 一方で、この状態であれば貯金10にならないと安心して首位に立てません。上位はそこの攻防になると思います。どのチームも優勝の可能性は秘めていますし、一気にコケてしまうチームも出てくる。上位4チームともそこそこの投手力を有しているだけに、1つのミスが明暗を分けそうです。
週刊ベースボール