得意なことでお金を稼ぐ!「ココナラ」の全貌とお得な活用術
ココナラの収益は双方から得る手数料。出品者は表示価格の22%、購入者は5.5%を支払う。欲しいスキルが手軽に買えると、今や会員は423万人に上る。 ココナラの本社は東京・渋谷にある。2012年の創業で従業員数は約200人。社長の鈴木歩(41)は8年前にリクルートから転職、その4年後から社長を務めている。
「あらゆる人に機会を提供したい。これまでだと自分の置かれている環境、年齢、時間、場所によって、一歩踏み出したいのにチャンスがないことがいっぱいあった。そういう方々に、フェアな環境でバットを振れる状態、バッターボックスを提供したいと考えています」(鈴木)
出品者も購入者も急増~ココナラ大躍進の理由
〇躍進の秘密1~「安くてお手軽」 以前は専業主婦だった東京・江東区の佐久間真沙子さんは2018年、念願だったカフェ「NIJIYA cafe&dining」を開業した。開業に必要な作業は「ココナラと携帯だけ」でやったと言う。 まずココナラで見つけたインテリアデザイナーに内装のイメージをチャットで伝えた。送られてきたのが完成予想図。料金は1万円と相場の5分の1以下ででき、このデザインをベースに内装を仕上げた。続いてポスターやコースター、メニューなどもココナラを通して発注。費用は相場の10分の1で済んだと言う。 「困ったらココナラを選択するようにしています」(佐久間さん) 〇躍進の秘密2~最適な取引相手を選べる ココナラでは、スキルを売りたい人が出品するだけでなく、買いたい人が募集することもできる。その制度を利用したのが、マンションやビルなどを扱っている東京・新橋の不動産会社「彩」だ。 以前のホームページはありふれた企業紹介だったと言う。しかしコロナ禍に売り上げが減少し、ホームページの刷新を決断。ココナラに予算10万円で募集をかけた。すると20人を超える応募があり、その中から選んだ。 「多くの方が『10万円でできる』と言うのですが、選んだ業者さんからは『10万円だと安すぎて、今後を考えるとあまりよくない』とアドバイスをされた。正直な方だなと思って……」(「彩」部長・坂本大誠さん) ホームページから案内物件に飛ぶ仕組みも入れた。費用は予算の3倍の30万円になったが、「満足です。ここまでやってくれるのかとびっくりした」と。(坂本さん)会社への問い合わせが5割も増えたと言う。 ココナラは地方に住んでいる人からも頼りにされている。動画制作などを行う都内の会社「P&Pコンサルティング」では、事業拡大に向けて経理のエキスパートを雇おうとしたが、「うちみたいな小さな会社では雇用するのはなかなか難しい」(社長・藤原利也さん)と言う。 継続的な人材をマッチングしてくれる「ココナラアシスト」で紹介されたのが茨城県在住の主婦・河本りえさん。行政書士の資格も持つ経理歴20年のベテランだ。面談を経て、茨城からリモートで業務を行ってもらうことになった。 「地方で専業主婦をやりながら資格を生かせるのは難しい。いい感じでご縁があったと思います」(河本さん) 「想定していたよりもすごい人材が来てくださった。本当に助かりました」(藤原さん)