ヒズボラ攻撃の口火を切った「ポケベル爆弾」 イスラエルのダミー企業が製造・販売の衝撃…専門家は「歴史に残る驚異的な秘密工作」
諜報の歴史に残る作戦
どこの国でポケベルやトランシーバーを製造していたかは不明だとしても、少なくとも設計はイスラエルの技術者が担当したと考えるのが妥当だという。 「私も長年、世界の情報機関をウォッチしていますが、これほど長期間の入念な準備を行い、圧倒的な衝撃を世界に与えた破壊工作は過去に記憶がありません。イスラエルのポケベル攻撃が人道的に許されるかという問題はさておき、秘密工作の歴史に残る出来事だったのは間違いないでしょう」(同・黒井氏) ニューヨーク・タイムズの記事によると、火曜日の午後3時半過ぎ、レバノンでポケベルが鳴り始めたという。その数秒後、レバノン全土の道路、商店、家庭で爆発音が響き、苦痛とパニックによる悲鳴が後に続いた──。こうして入念な破壊工作は成功を収めたのだ。 デイリー新潮編集部
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