【Q5】男性ホルモン注射は打てば打つほど効果がありますか?
男らしさの要、モテるホルモンと言える「男性ホルモン」が加齢で減少すると聞いて、他人事ではいられないオヤジさんのためのQ&A。新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの伊勢呂院長に答えていただきました!
A.長く投与していると、自分の力で男性ホルモンを作ることができなくなります
男らしさを象徴するイメージの「男性ホルモン」が加齢で減少すると聞いて、不安を覚えないオヤジさんはいないでしょう。ちょっとしたことでイライラしたり、なぜか気分が落ち込んだり、性欲もいまひとつ……。そんな日々が続くなら、男性ホルモンの低下が引き起こす男性更年期障害かもしれません。 そこで、男性ホルモンにまつわる疑問を掲げ、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの院長・伊勢呂哲也先生を訪ねました。
Q.男性ホルモン注射は打てば打つほど効果があるのですか?
── 男性更年期障害にはどんな治療がありますか? 先生 男性ホルモンのテストステロンを注射する、テストステロン補充療法が一般的です。2~4週間に1回の頻度で注射を打ち、自覚症状が改善されたか様子をみていきます。この治療は保険適用なので、診療費が高額になる心配はありません。漢方薬を併用することもあります。 ── 治療期間はどのくらいですか? 先生 テストステロン補充療法の治療期間に特に決まりはありませんが、最新の論文では半年間継続して投与すると、その後中止しても経過が良好である場合が多いと報告されています。当院でも半年を目安にしています。 ── テストステロン補充療法に副作用はありますか?
先生 主な副作用は、肝機能障害です。投与量が多いと血が濃くなり、多血症にかかる可能性もあるので、当院では定期的に採血もして、ホルモンの補充頻度を調整しています。 また男性ホルモンの影響で、体毛が増えたり、髪の毛が薄くなることもあります。それに長く投与していると、自分の力で体内に男性ホルモンを作ることができなくなります。 僕としては、テストステロン補充療法を半年ほど続けてある程度症状が改善されたら、いったんやめて、サプリメントの服用や生活習慣を整えていく方向にシフトするのがオススメです。サプリメントは、薬や注射に抵抗がある人でも取り入れやすいのではないでしょうか。 ── 男性更年期障害はどのくらいで治りますか? 先生 女性の場合は、閉経後5年を過ぎると徐々に症状が落ち着いてくるのでわかりやすいのですが、男性の場合は明確なサインはありません。年齢を重ねるうちに、症状が和らいでいくイメージですね。