井上尚弥は米国で試合をするべきか? その疑問をリング紙元編集人が一刀両断
井上尚弥は世界4階級を制覇し、2階級で4団体統一王者になったパウンド・フォー・パウンド最強のひとりだ。5月6日にルイス・ネリ戦を控える井上に対する「アメリカで試合をするべきだ」という話題が今、議論を呼んでいる。 【動画】井上が本場ラスベガスで完璧な米国デビュー戦を飾った2020年10月のジェイソン・モロニー戦フル動画を本誌記事内で紹介中 果たして井上は米国で試合をする必要が本当にあるのか。名門『The Ring』誌(リングマガジン)で編集人を務めた本誌格闘技部門副編集長トム・グレイがその疑問に答える。
■井上アンチによる「米国で試合しろ」論が再噴出
パウンド・フォー・パウンドのスター、井上尚弥は2012年のプロデビュー以来、10年以上にわたり、4階級にひしめく猛者たちをことごとく退けてきた。この日本が誇るスターの戦績はこれまでに26勝0敗(23KO)と完璧であり、2階級で4団体統一王者になった。だが、それでも人は何かしらケチをつけたがるものだ。 元ファイター、メディア、そしてファンのなかには、「ボクシングで名を残したいのであればアメリカで試合をするべきだ」と考える者がいる。あるファイターが他国で伝説を作ったとしても、ラスベガス(あるいはニューヨーク)でスポットライトを浴びない限りは真の成功者ではないというのだ。 元WBC/IBF世界ウェルター級王者ショーン・ポーターは、米ボクシング動画メディア『ProBox』とのインタビューで、「井上の目標がボクシング界でスターになることなら、彼はアメリカに来なくてはいけない」と言い放った。 この物議を醸した発言は『ザ・モンスター』こと井上の神経をイラ立たせたようだ。井上は自身の公式ツイッターで次のように反論した。 「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに????? 今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」(井上のX投稿から) スポーティングニュースでは、いくつかの異なる視点からこの問題を検証し、井上がアメリカで試合をするべきかどうかについて「結論」を下した。