兄の思い継ぎ被災者に寄り添う 心のケア先駆者の弟、震災30年描く映画が17日公開
「この映画は『時間の物語』。登場人物それぞれの30年と今の時間の流れを、映画の中で積み重ねていきたい」。安達さんはそう話す。
映画のポスターに書かれた言葉は「みんなもろい 街も、家族も、わたしの心も」。灯役の俳優、富田望生(みう)さんは、撮影開始10日ほど前から神戸で生活。灯の日常になじんでもらい、「アフター震災世代」をリアルに演じきった。
「実は兄は大の映画好き。高校生の頃に撮った自主映画は散々な出来で、学園祭で大失敗したらしい」としながらも、初作品の公開を控え「兄も喜ぶかな」と成洋さん。今後も震災の映画を作り、被災者との対話も続けていくつもりだ。(南雲都)