残る希望は2連続完勝のみ。F1目指す岩佐、過激な攻めで逆転王座なるか。野尻優先は「まったくない」
11月8日、鈴鹿サーキットでの2024年スーパーフォーミュラ最終大会を前に90分間のフリー走行が行われ、現在ランキング4番手につける岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が2番手につけた。逆転チャンピオンを手にするため、さらには自身の来季以降につなげるためにも今週末は2連続ポール・トゥ・ウインを達成すると力強く語った。 今回も2レース開催ということで金曜の午後にフリー走行のセッションが設けられた。岩佐は用意していたランプランを消化しつつ、開始から45分を過ぎたところで1分38秒723を記録してトップに浮上。最後のアタックでは1分37秒525に更新し、2番手でセッションを終えた。 「ランプラン的にはいつもどおりというかたちで始まったのですが、クルマに関してはここまでとは全然違うコンセプトで持ってきて、かなり過激なかたちにしてきたので、それが良いか悪いかの判断から始まりました」と岩佐。 大きくセットアップを変更したことに対しての評価は「劇的に良くなった感じはなかったですが、そこまで極端に悪いということもなかったので、そこから詰めていく流れになりました」と語った。 岩佐は前回の富士大会でも金曜フリー走行で2番手タイムを記録していたが、「富士のFPでの2番手と比べると、感触としては悪くないのかなと思います。富士の時は土曜・日曜に向けてはかなり厳しいかなと感じていましたけど、今日に関しては感触が良いので、明日に向けては細かな詰めに入っていくことになるかなと。そこまで大きな変更をしなければいけないような状況ではないのかなと思います」と手応えは感じている様子。 「ただ、今の僕たちのクルマに関してはいろいろとネガティブなところもあるので、メリットだけで走らせれば良いのですが、デメリットが出た時に大きく落ちる感じになりそうです。なので、そのあたりをどうカバーできるかというところは、これから話し合いたいと思います」と、懸念材料がまったくないということではなさそうだ。 シーズン開幕前には、2025年以降のF1ステップアップを目指してスーパーフォーミュラで好結果を出したいと宣言していたが、ここまで7戦を終えての最上位は第3戦オートポリスの2位となっている。 この最終大会では自身の初優勝はもちろんのこと、逆転チャンピオンについても強く意識している。 「マシン自体も過激に攻めたセッティングで持ってきたというのは、最終大会の2レースともをポール・トゥ・ウィンを獲るというためにやってきたことです。チャンピオンシップの可能性もありますし、そこに対して諦めていないという姿勢を表しているところもあります」と力強く語る岩佐。 現在、岩佐は首位から31ポイント差ということで自力での逆転は不可能な状況だが「2戦連続ポール・トゥ・ウインでマキシマムポイント(46点)を獲得して、それでチャンピオンが獲れればと思っています」 「そこに関してはトップの選手次第にもなるので、僕たちとしてはとにかく連続ポール・トゥ・ウィンだけを考えています。しっかりと勝ちきって終わりたいなと思います」と勝利だけを見据えていた。 TEAM MUGENでは野尻智紀が70ポイントでランキング3番手につけている。状況によっては野尻を優先させるような動きも考えられなくはないが、岩佐は「現時点ではまったくないです」とキッパリ否定。「その辺はチーム内で良いものも悪いものもないですし、これまでと状況はまったく変わっていません。それぞれのレースをするだけです」と語った。 明日の予選順位次第では、チャンピオン争いのキーパーソンとなりそうな雰囲気。フリー走行での調子の良さを維持できるかが、見どころとなりそうだ。 [オートスポーツweb 2024年11月08日]