すべての観光客がコロナ患者だと考えて迎え入れる――経済との両立、沖縄の医師が語る「腹の括り方」【#コロナとどう暮らす】
7月に入って、沖縄県のアメリカ軍基地で新型コロナウイルスの感染が拡大している。15日時点で感染者数は136人。だが、当初は感染者数も公表されなかった。この感染は、どこからどのように広がっているのか。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗り込むなど、日本では最初期の段階から新型コロナウイルス患者を診断し、現在は沖縄県立中部病院で感染症対策に取り組む高山義浩医師に現状を聞いた。(取材・文:ジャーナリスト・森健/Yahoo!ニュース 特集編集部)
PCR検査を地元住民130人に緊急実施、全員陰性
──報道では、7月4日(アメリカの独立記念日)にイベントがあり、それ以降、感染が拡大したとのことです。確かでしょうか。 そうですね。7月4日、うるま市など各地で、バーベキューパーティーやダンスイベントなどがありました。そこで同時多発的に感染が起きた。ネットに流れた当日の写真や動画を見ると、マスクをしている人の姿は見えません。 ──写真や動画を見ると、完全に“密”状態で飲んだり、踊ったりしています。ビーチパーティーで300人ほど集まり、踊っているという報道もありました。 ビーチパーティーでの感染もあったと思いますが、むしろ感染は(屋内の)ナイトクラブやバーなどナイトスポットが中心でしょう。あるクラブでは7人の米兵が同時に感染しています。客に水タバコを提供する店で、回し吸いによる接触があり、多数の感染者を出してしまったようです。
──7月7日から12日までの6日間で62人、その後さらに増えました。12日には、高山さん主導のもと、中部病院が北谷町役場で急遽、北谷町のナイトスポット関係者を対象にPCR検査を実施していましたね。結果はいかがでしたか。 幸いなことに130人全員が陰性でした。米兵が遊び場としているエリアのひとつである北谷町において、もともと流行していたという可能性は低くなりました。つまり、ナイトスポットにおける客同士の感染だったと考えられます。その多くが海兵隊員です。