【40代・50代の睡眠改革】介護で自分の睡眠がとれていない皆さんへ
介護しつつも「睡眠」で自分を守る
「介護にしっかり向き合う人は真面目で愛情深く、責任感が強くて真正面から取り組むため、とにかく『自分がなんとかしなければ!』という方々が多い印象があります。 子育てと違い、この先の事を考えるといつまで続くのか不安な気持ちも拭えず、ストレスから眠れない日々が続くこともあります。また、夜間に介護する方のトイレに付き添う、痛みの訴えに対し介抱するなどしばしば睡眠を連続して取ることができず、細切れ睡眠になって熟睡した感じが得られない方もいます。 そのうち『また、今夜も同じかな?』と思うだけで交感神経が優位になり、なかなか上手く眠ることができなくなることも。 そうなると自分のカラダも重く、疲れが取れない状態となり、場合よってはメンタルにダメージを抱えることにもなりかねません。 たかが睡眠、されど睡眠です。疲れは睡眠でリカバーするため、眠れないのは辛いです」 そこで介護中の睡眠問題は 1 時間があれば昼間でも少し眠る 2 公私ともに周囲のサポート体制を利用する 3 誰かと話しをする。ひとりで抱え込まない といったことが助けになると続ける。 「睡眠時間の総量が足りない場合は、少しでも昼間の空き時間を利用してカラダと脳を休めてください。 普段のように規則正しく寝られる時の睡眠とは異なり、まずは足りない分を少しでも補充するイメージです。徹夜をすれば翌日は耐え難い眠気に襲われますが、徐々に削られた睡眠時間の場合は、睡眠が足りていなくても眠気がないことが分かっています。そのため、万全でなくても無理をしてしまう可能性があるのです。 細切れ睡眠が毎晩続くようなら、介護者のショートステイを施設に頼むとか、近親者に交代を申し出るなど『頑張ばればなんとかなる』と抱え込まないことが大事です。 介護者のことがすべてとなり、どうしても犠牲的になりがちですが、そうなるとこの先カラダもココロも参ってしまいます。睡眠不足は判断力の低下も招きますから、まず自分軸を忘れることなく、カラダとココロを守りつつ介護できる方法を探ってみてくださいね。 介護するみなさんにエールを込めて、今宵も良い眠りを」
【話してくれたのは】 ヨシダヨウコさん ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。 漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある。