箱根駅伝「史上最速の2区」で分かれた“エースたちの明暗” 青学大・黒田は晴れ晴れ、国学院大・平林はうつむき…駒大・篠原は「適性には勝てない」
駒大・篠原は「適性には勝てないな」
じつは前日、先輩の田澤廉(現トヨタ自動車)が篠原の部屋を訪ねてきてくれたのだという。ニューイヤー駅伝が行われていた群馬からわざわざ駒澤大の寮に来て、かつての大エースはどんな助言を授けてくれたのだろう。 「それが、『頑張れよ』ってひと言だけ(笑)」 だが、そのひと言から伝わるものがあったという。 「ほんと自分は2区の適性がないと思っていて。でも、田澤さんも登りは苦手で、でもあれだけの走力でねじ伏せていたんだなって。だから、圧倒的な力の前では適性とかあまり関係ないのかなって思って挑んだんですけど……やっぱり2区は違いましたね。最後の戸塚の坂は、手を使って登りたくなるような壁でした。黒田君とか吉田君の走りを見ると、適性には勝てないなと思います」 ハーフマラソンと、5000mの屋外日本人学生最高タイムを持つ篠原をしても、初めての2区は苦しんだ。残念なのは、4年生でリベンジの機会がないことだろうか。 青学大の黒田はこんなことも話していた。 「(吉田君は)やっぱり強いなと思いますね。ただ僕はまだ1年あるので、来年超せたらそれで良いかなと」 記録はこうして更新されていく。各大学のエースが見せた悲喜こもごもの表情に、箱根駅伝の進化を見る思いだった。
(「箱根駅伝PRESS」小堀隆司 = 文)
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