箱根駅伝「史上最速の2区」で分かれた“エースたちの明暗” 青学大・黒田は晴れ晴れ、国学院大・平林はうつむき…駒大・篠原は「適性には勝てない」
創価大の“苦労人”エースは従来の区間記録を更新
1区で17位と出遅れた創価大は、エース区間の2区を吉田響(4年)に託した。吉田の走りもまた凄まじかった。 序盤からハイペースで押し、中盤から終盤にかけてもペースが落ちない。黒田から遅れることわずか10秒、4位で吉田が中継所に姿を現したときは、感動すら覚えた。 結果は、吉田が1時間5分43秒で区間2位、黒田は1時間5分44秒で区間3位。両者ともにイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が持っていた従来の区間記録(1時間5分49秒)を上回り、学生のレベルを新たな次元まで押し上げた。 快走を見せた、吉田が言う。 「悔しさはあるんですけど、理想通りのレースができたんじゃないかと思います」 吉田のモチベーションは5区で快走して「山の神」になることだった。ルーキーイヤーの箱根で5区を区間2位で走り抜けたが、その後に東海大を退学。創価大には3年次に編入し、自分に合った環境で実力を伸ばしてきた。 今回2区を走ったのは、チームに恩返しがしたいとの思いからだった。 「チームが絶対に最後は笑って終われるように、自分がどこを走れば良いかってことを監督と相談して、2区を選びました。山の神への気持ちは押し殺して、2区で区間新を必ず出して優勝するんだと。最後の600mは(5区を走った経験が)生きましたね。すごくきつかったけど走り切れました」 まさに入魂の走りだった。このレベルで2区を走るためには、エース級の速さに加えて登りの適性も必要なのだろう。 そう思わされたのは、篠原倖太朗(4年)のこんなコメントを聞いたからだ。 1時間6分14秒の好記録ながら、区間4位にとどまった駒澤大のキャプテンは、区間新記録を出した2人に抜かれたシーンをこう振り返った。 「(黒田選手と吉田選手が後ろから来ているというのは)監督からの指示はなかったですけど、だいたい沿道の応援でわかりました。でも、追いつかれるとは思わなかったです。自分もあのタイムで走っていたので」
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