改めて考える、“MBTI診断”ブームの行方~なぜ知りたくなるのか?キャリアに介入させる是非とは?~
自分のMBTIを知ってからの変化や気付き
Q:Z世代の皆さんはご自身のMBTIを既にご存じかと思いますが、MBTIを知ってから自分の中での変化や気付きはありましたか? Hさん:MBTIを知ることで、イライラしたりもやもやしたりした時にその理由が分かるようになったのは良かったなと思います。今までは自分の行動や考え方が極端だなと思うこともあったのですが、同じタイプの人は同じように考えることもあるんだと分かると、自分の行動について落ち込んだり、引け目を感じたりすることが少なくなりました。人間関係においても、「なんでこうなの?」ではなく、「こういう考え方もあるんだな」「性格の違いなんだな」と思えるようになってからストレスが減りました。 Kさん:私も同じような感想ですね。Instagramなどで「MBTIあるある」を見かけるようになって、こういうふうに考えているのは自分だけじゃないんだなという安心感を得られました。 Nさん:僕は元々大人数の会話に入っていくことや人前で話すことに苦手意識があったのですが、最初に診断を受けた時に「外向的(E)」という結果が出ました。今考えると、ありたい姿に寄せて回答していたのかなとも思うのですが、最近は何度やっても同じ結果が出るので、“本当の自分”もありたい姿に近づいているのかもしれません。 Q:皆さん、ご自身の診断結果について納得した上で、ポジティブに捉えているようですね。大美賀さんは自分のMBTIを知ることの効果・影響についてどのように考えていますか? 大美賀さん:同じタイプの共感し合える人と話すことでより自己理解が深まるということはありますし、「自分だけではない」という安心感を得られるというのも良い効果だなと思います。Nさんのように、「なりたい自分」「見せたい自分」に寄った結果になるというのは、MBTIに限らず性格診断には見られることではありますが、診断をきっかけに理想の自分に近づけていくというのも悪いことではないです。 一方で、該当するタイプの特徴には当てはまらない自分を否定してしまったり、自分を型に当てはめて限界を決めてしまったりするという怖さもあります。「できるはずない」とか「できなくても仕方ない」とか自分を決めつけてしまうのはもったいないですよね。完全に自分のことを理解できるツールというわけではないので、自己決定の軸にするというよりは、あくまで参考情報にとどめておくのが良いと思います。