国内3強を狙う京都市の"隠れ餃子愛"とは? 実は1世帯当たりの餃子支出額トップ5の常連!
続いて話を聞いたのは、こちらも2代目店主の餃子愛が強いマルシン飯店。なんと営業時間は午前11時から翌朝6時までぶっ通し。さらに驚くのは並ぶ人の数。夕食時には50人近くが列を成していた。 この店も1977年オープンと長きにわたり愛される名店だ。40代の2代目店主が餃子をおいしく食べられるようにあの手この手で工夫をこらし、行列の絶えない店をつくり上げた。まず面白いと思ったのが、揚げ餃子に添えられたマヨネーズ。さすがにコッテリすぎないか?と聞くと。 「僕、若い頃マヨラーやったんです。なんにでもマヨネーズをつけて食べてたんで、太ってました(笑)。その頃、揚げ餃子にマヨネーズをつけたらメチャメチャおいしかった。スナック菓子感覚でサクサク食べられるんで、若い人に人気です」 なんと「熟成肉」を使った珍しい餃子も存在。 「熟成豚肉餃子は、肉の味や食感が出るよう大きく粗めに残し、野菜などは細かく刻むなど工夫しています。逆にノーマルの餃子は肉よりもニラ、ニンニク、ショウガ、キャベツの野菜感がより強く出る工夫をしています」 さらに店主が続ける。 「私のポリシーは初代の中華料理の基本を大事にしつつ、何をすれば、よりおいしく召し上がっていただけるかです。常にそれを考えていたら、いろんなアイデアが出てきてしまって(笑)。オリジナルの餃子専用ソースの『餃子醤』を作ったり、醸造所さんと協力して餃子専用のビールも開発しました」 餃子専用ビールとは? 「ビールだけ飲んだら、『あれ、このビール大丈夫?』と言いたくなる味なんですが、餃子と一緒に飲むと口の中に甘みがふわっと広がる。このビールで餃子を食べると、もう餃子のタレはいらないと感じるかもしれません。餃子とビールだけで完結してしまう。そんなビールなんです」 このように、お店も進化し続けているところが、京都人の餃子愛を冷めさせない理由なのかもしれない。 ■サウナ後即餃子&ビール さて、次は京都らしい餃子店に話を聞きに行ってみよう。 祇園にある「舞妓さんが食べられる餃子」がコンセプトのお店、餃子歩兵。こちらも行列店で、夕飯時には30人ほどが並び、お店専属のガードマンが列の整備にあたっていた。店主の西林巧さんが餃子の特徴を話してくれた。 「舞妓さんはあまり大口を開けて食べることはできませんので、ひと口サイズで小ぶり。また、においが気になる方もいるということでニンニク、ニラ抜きの『生姜ぎょうざ』も提供しています。ニンニク、ニラなしでも食べ応えがあるようにかつ、ショウガの辛さもうまく調整した餃子です。 また、薄皮なのでパリッとした食感もいい。肉よりも野菜のほうが多いので、しつこくなく食べられます。それでいて、下味もしっかりついているので、食べた瞬間のインパクトが強い一品です」 場所柄観光客も多く、特に目立ったのがインバウンド客。京都餃子が世界に羽ばたく日も近い!?