「貧血」は病気ではない!? 鉄サプリが効かない理由は“アノ習慣”にあった
鉄サプリメントを摂取しているにも関わらず、貧血の症状が改善しないと感じている女性が多い。疲れやすいなど体の不調が続いているという人も。 【写真】貧血予防に! 鉄分を多く含む食品 ここでは、貧血と、そして最近増えている「隠れ貧血」の症状と改善方法を、管理栄養士の篠原絵里佳さんが解説。貧血を予防することは難しくありません! 日々のちょっとしたことで症状は改善するはず。最近、調子が良くない人もぜひ試してみて!
「貧血」は病名ではなく、「状態」を表わす言葉
貧血とは、血液中の赤血球の数が少なくなった状態のこと。「末梢血管内の血液中ヘモグロビン(Hb)濃度が基準値以下」を貧血と定義づけられている。 赤血球の中には、「ヘモグロビン」とよばれるたんぱく質があり、ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ重要な役割を担っている。人は生命を維持したり、活動するためには酸素が必要なため、貧血が進行すると、酸素が十分に運べなくなることから、疲れやすくなったり、体が冷えたり、血色が悪くなったり、目にクマができたり、脳にも酸素が不足するため、あくびが出たり、集中力が無くなりボ~っとしたりする。不足した酸素を取り込もうと心臓や肺が無理をしてしまい、動悸や息切れなどが起こる。 貧血の種類と原因 貧血の7割が、体内の鉄が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」。 そのほか、ビタミンB12や葉酸が不足することで起こる悪性貧血とよばれる「巨赤芽球性貧血」や、赤血球が過剰に破壊されることで起こる「溶血性貧血」など、貧血の原因と種類は複数ある。 そして、隠れ貧血ともいわれている「潜在性鉄欠乏」は、ヘモグロビン値は正常だが「フェリチン」が体内で不足した状態。
体内の鉄は2種類。「お財布のお金」と「貯金」
体内の鉄は、「機能鉄」と「貯蔵鉄」がある。赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというたんぱく質の構成成分である「機能鉄」は、体内に取り込まれた酸素を全身に運ぶ役割がある。一方、「貯蔵鉄」フェリチンは機能鉄が不足した際に使われる、肝臓、脾臓、骨髄など細胞内に蓄えられるたんぱく質の一種。 言い換えると、機能鉄は「財布のお金」、貯蔵鉄は「貯金」。財布のお金が減ると、貯金をおろして補填する。いよいよ貯金が無くなってくると、財布のお金を補填することができなくなり、貧血(鉄欠乏性貧血)と診断される。 一般的な健診ではヘモグロビン値しか検査をしないため、貧血と診断されなくても、フェリチンが減少している可能性があり、前述のような症状に悩む結果となってしまうというわけ。そうなる前に日頃から、貧血を予防する食生活を心がけたい。