ブラジルとアルゼンチンは決勝で対戦できるのか?
ワールドカップ・ブラジル大会はベスト4が出そろい、優勝争いがいよいよクライマックスに突入する。ともに南米対ヨーロッパの激突となった準決勝で、開催国ブラジルは大きなハンデを背負って日本時間9日未明にベロオリゾンテで行われるドイツとの大一番に臨む。チームトップの4ゴールをあげていたエースのFWネイマールが、コロンビアとの準々決勝の終了直前に相手選手の強烈なタックルを背中に受けて退場。第3腰椎骨折で全治4週間の重症と診断され、チームからの離脱を余儀なくされた。 キャプテンのDFチアゴ・シウバもロンビア戦で通算2枚目のイエローカードをもらい、ドイツ戦は出場停止となる。攻守の大黒柱を欠く大ピンチに、元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は「現状では厳しいと言わざるを得ない」とブラジルの苦戦を予想する。「ショッキングなアクシデントが逆に一体感をもたらすことはあるかもしれないけれども、攻撃に関してはネイマールが中心だった。誰が代わりに入るにしても、ネイマールと同じようなプレーは絶対にできない。フォーメーションは同じままでネイマールの位置に違う選手を入れるか、あるいは最終ラインの前にボランチを3人並べて4‐3‐2‐1のような形にするのか。今大会はブラジルらしい華麗なサッカーを披露できていないが、ドイツが相手ということでより現実的な戦いを選択する可能性があるかもしれない」。 フォーメーションを変えない場合はMFウィリアンが代役の有力候補となるが、チリとの決勝トーナメント1回戦ではPK戦の2番手で登場しながら失敗するなど、いまひとつ波に乗り切れていない。グループリーグのクロアチア戦とメキシコ戦に途中出場したMFベルナルジは、まだ21歳と経験不足は否めない。インテルに所属するMFエルナネスも2試合で30分強しかプレーしておらず、場合によっては豊富な運動量が武器のラミレスを2列目に配置する布陣も考えられる。ボランチを3人並べる場合は出場停止から復帰するルイス・グスタボを軸に、リーダーシップを発揮できるパウリーニョ、コロンビア戦でハメス・ロドリゲスに影のようにつきまとったフェルナンジーニョとなることが考えられる。