LenovoのヤンCEOが語る「AI戦略」 Intel/AMD/NVIDIAのCEOも勢ぞろい
多くのPCメーカーにとって、2024年は“AI元年”だったと呼べるかもしれない。理由としては、半導体メーカー各社からAI(人工知能)の推論実行に特化した「NPU」を標準搭載したCPU/SoCが相次いで発表されたことで、いわゆる「AI PC」の新製品がこの年に一気に市場へと投入され、マーケティングメッセージとしてのAIが、実際にセールスポイントとして機能していたことにある。 【写真】NVIDIAのジェンスン・ファンCEOと並ぶヤンCEO 一方で、こうしたNPUを統合したCPU/SoCを備える「AI PC」は、どちらかといえばハイエンドモデルに偏っている。価格面からも、多くのユーザーが求めるボリュームゾーンからは若干外れている状況でもある。 同時に、このAI処理性能を生かせるアプリやサービスも、現状ではそれほど多くない。仮にAIを生かせるアプリ/サービスの数がある程度そろったとしても、より多くのユーザーを引きつけるのに十分かといわれると、そうでもないというのが筆者の見解だ。 しかし、今後数年でAI PCの割合が増えるのは確実で、PCメーカーなどの予測では2030年頃までに出荷されるほぼ全てのPCがAI PCになるという予測もある。いずれにせよ、その頃には多数のユーザーを引きつけるキラーアプリのようなものが登場する可能性も高く、PCメーカー各社がAI時代の序盤戦で自らの特徴やメリットをアピールすべく、さまざまなメッセージを打ち出している。 今回は、このうちの1社であるLenovo(レノボ)の事例を紹介したい。同社はPCにおいて出荷数ベースで世界一のシェアを誇っているが、その強みは個人向けPCのみならず、タブレットからスマートフォン、サーバやデータセンター向けインフラまで、PCやそれを取り巻くエコシステム全体にハードウェアポートフォリオを持つ点にある。 同社が打ち出すメッセージは「Smarter AI for All」だが、このエコシステムの強みを生かしてオンデバイス(オンプレミス)処理のAIとクラウド(データセンター)処理のAIを組み合わせて活用する「Hybrid AI(ハイブリッドAI)」を戦略として掲げている。2024年10月に開催された「Lenovo Tech World 2024」で説明している。