交配した牝馬次第で多彩な脚質に? 種牡馬としても大成した名馬「マンハッタンカフェ」を深掘り
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬 【写真】マンハッタンカフェのこれまでの軌跡 【マンハッタンカフェ】 アグネスタキオン、ジャングルポケット、クロフネなどと同期で、3歳夏を越してから本格化。長距離レースの菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を制覇しました。いずれもスローな流れだったので、戦績から受けるイメージほどスタミナタイプではありません。 ドイツが誇る名牝系シュヴァルツゴルトのラインに属し、名牝ビワハイジ(ブエナビスタなど6頭の重賞勝ち馬を産む)とはイトコ同士の関係です。種牡馬として成功し、2009年にチャンピオンサイアーの座につきました。異系血統で構成されているためか、自身を強く主張するというより、交配した繁殖牝馬の特長を活かすタイプで、ジョーカプチーノやガルボのようなスピードタイプ、レッドディザイア、クイーンズリング、ルージュバックのような中距離タイプ、ヒルノダムールのような長距離タイプ、グレープブランデー、エーシンモアオバーのようなパワータイプなど、多彩な産駒を出しました。 母の父としても素晴らしく、日本ダービー馬タスティエーラ、春の天皇賞馬テーオーロイヤルの他に、テーオーケインズ、メイショウハリオ、ペプチドナイル、セラフィックコールといったダートの強豪を出しています。 ◆血統に関する疑問にズバリ回答! 「8月の芝競馬で注目すべき種牡馬は?」 平坦、短い直線、高い気温に適性のある種牡馬、と言い換えてもいいでしょう。2014年以降の10年間、8月の芝競馬で30走以上した150頭の種牡馬のなかで、勝率が最も高かったのはサトノダイヤモンド。勝率17.1%は、キタサンブラック、ディープインパクトを抑えてトップです。 単勝回収率は268%、複勝回収率は106%なので、出走馬すべてを買い続けてもプラスとなります。コースは小倉か札幌が良く、距離は2000mがベスト。小倉芝2000mは6戦4連対、札幌芝2000mは3戦2連対です。