「実体経済」と「市場動向」に大きく差があるのはなぜ? 今から投資を始めるメリットはある?
今から投資するのは遅い?
次に、日本株投資(指標の数字に合わせて変動する投資商品)を考えている方に向けて、今後の展望を紹介します。ただし、必ずしも展望通りの動きをするとは限らないためご注意ください。 ◆市場動向に実体経済が徐々に追いついている 市場動向と実体経済を参考にするなら、日本経済は回復の途上であり、市場動向に実体経済が追いつきつつあると考えられます。「令和5年度 年次経済財政報告」によると名目GDPは過去最高の591兆円を記録しました。 またサービス消費もコロナ禍以前の水準に戻りつつあるため、この傾向が続くなら、将来的に市場動向と実体経済が合致する可能性もあるでしょう。 ◆シナリオ1:市場が実体経済に合わせ調整される 現状は実体経済と株価の指標に乖離(かいり)があるため、上昇トレンドのどこかで調整(株価が一時的に下落すること)に入る可能性があります。今回の株高は、海外投資家の期待によるものといわれています。海外の期待に対して実体経済がどのような成績を収めるかで、市場動向にも大きな動きが生じる可能性があります。 ◆シナリオ2:実体経済を無視して株高が続く 過去最高高値を更新したことや、海外期待が高い背景から、過熱による上昇トレンドを呼ぶ可能性があります。この場合、株価の上昇がどの程度で収まるかは分かりません。あまりにも実体経済と市場動向の間に乖離(かいり)が生じると、相場が冷めたときに急激な下落を招く可能性がありますので、注意しましょう。
投資の世界は複雑でランダム性が高い
経済の世界は、期待・業績・駆け引きなどさまざまな要素が絡み合って形成されています。例え将来的に実体経済が市場動向に追いついても、必ず株価が上がり続けるとは限りません。 これから投資を始めようと考える方はリスクを十分考慮した上で、無理のない金額から始めるとよいでしょう。 出典 内閣府 第1章 マクロ経済の動向と課題 第1節 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー 監修:高橋庸夫 ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャルフィールド編集部