【INAC神戸】“2冠”奪取が大詰め、髙瀬愛実「どっちも取りたい」
■NPOで若手発掘へ
女子プロサッカーWEリーグ・INAC神戸レオネッサは12月29日、国立競技場でクラシエカップ優勝を懸けてサンフレッチェ広島レジーナと対戦する。 連覇が懸かる皇后杯全日本女子サッカー選手権も準決勝に進出した。 チーム在籍16年目のベテランFW、髙瀬愛実(たかせ・めぐみ=北海道出身 34歳)に意気込みなどを聞いた。 ◇ ◇ ◇ 髙瀬は2011年のFIFA女子ワールドカップ優勝メンバーで、リーグ通算112得点(なでしこリーグ含む)を誇る。 2021年にはWEリーグ創設第1号のゴールを決め、昨年度の皇后杯決勝では終了まぎわに同点PKを決めて7年ぶりの優勝につなげた。 今シーズンも11月の埼玉戦、終了まぎわに同点ゴールを決めて初黒星を阻止するなど、存在感は変わらない。 さらに今月、チームのアカデミー部門とスクール部門を運営する「NPO法人アイナック」の理事に就任した。 --------- Q.NPOでの役割りは-- 髙瀬 「INAC神戸というチームが長く続いていくために、U15・U12カテゴリーの試合をたくさん見て、いい選手、情熱を持って戦える選手を見つけていく。スクール生の中でも、伸びしろや、面白いと思う選手を見ていきたいと思っています」 Q.指導は-- 「アドバイスをと(NPOから)言われている。『現役選手の言葉の重みを(伝えてほしい)』と言われているので、できる範囲でやっていきたい」 Q.ご自身の現役は-- 「理事就任で、セカンドキャリアを考えてるのかなと思われる方もいるかもしれないが、自分としては全くそういう感情はない。(現役を)やれる所までやりたいという気持ちをしっかり会社に伝え、『もちろん』という言葉をいただいて引き受けた」
■女子サッカーの環境
Q.ご自身がサッカーを始めた当時は-- 「(女子が)サッカーを続けるのが難しい環境だった。地元でサッカーをしている女の子も本当に数えるぐらいしかいなかった。週末、地元から車で3時間離れた女の子のチームに混じって(活動した)。たくさんの人の協力がないと続けれられなかった」 Q.今は-- 「今はいい選手が多いが、そこから抜け(出し)ていくにはどうしたらいいか。自分は、ワールドカップのメンバーや先輩たちから、上手くなりたいという気持ち、姿勢、志の強さを学んだ。(上手さだけでなく)そういう気持ちも必要だということを、アカデミーやスクールの理念にしていきたい」 Q.リーグを盛り上げるには-- 「たくさんの人がスタジアムに来てくれるために、どういう行動を起こすかは、現役中には難しい。でも今回、(自分は)現役選手として(NPO法人理事の)役職をしながら、(現役との)パッケージができ、発信力もまた強くなっていくと思う。現役選手とは違う角度から、女子サッカーを盛り上げていけるように頑張っていきたいと思っています」