八村塁が“協会批判”で揺れるバスケ界「(ホーバスHCと)ボタンの掛け違いが始まったのは…」「誰かひとりが悪者というわけでもない」
誰かひとりが悪者というわけでもない
この八村の発言は新聞各社が伝えたほか、SNS上でもあっという間に広がった。合宿中だった代表チームでもその話題で持ちきりだったという。それでも、今は皆が静観している。それは協会がどう対応するのか、その動きを見守っているからだ。 パリ五輪での男子代表は、3戦全敗して予選ラウンドでの敗退だったが、準優勝のフランス代表相手に勝利目前となるような善戦をしたこともあり、一定の評価がされている。それは間違いないのだが、手応えがある戦いができたからといって、決して問題がなかったわけではなかった。コミュニケーションや信頼関係など、ほころびがあるのを繕いながら、ときには見て見ぬふりをしながら、必死になって前に進んだ大会だった。 大切なのはまず、問題をうやむやにしないこと。そして誰が正しいか間違っているかではなく、大局的な視点で日本代表の進む道を見極めることだ。協会やホーバスHCにも彼らなりの立場があり、意見がある。そのなかには、八村が知らなかった事情もあるだろう。ヒーロー映画ではないので、誰かひとりが悪者というわけでもない。だからこそ、今は八村の意見に真摯に耳を傾け、それぞれの意見を建設的にぶつけあうことで日本バスケットボール界が発展する道を模索するときだ。 この先、日本代表はどこに向かうのか。日本バスケットボール界は、今、ひとつの大きな岐路に立っている。 (全2回・完/前編から続く)
(「日々是バスケ」宮地陽子 = 文)
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