なぜ中日の開幕投手は謎に包まれているのか…与田監督がいまだ“沢村賞”大野雄大を開幕投手に指名していないワケ
中日の開幕投手が謎に包まれている。本来ならば沢村賞を獲得したエースの大野雄大(32)で決定のはずだが、25日の段階で与田剛監督(55)は明言をしていない。3月26日の開幕カードは敵地での広島戦。果たして与田監督の開幕プランは…。大野は明日27日の阪神との練習試合で初の実戦登板予定となっている。
新型コロナ禍の疲労を考慮し開幕指名を“封印”
何も“与田カーテン”を引いているわけではない。 「まだ(大野)雄大は実戦で投げていませんからね。一度投げて、その後の回復を見てみないことには、今の段階では何とも言えませんよ。開幕の候補とすれば雄大を筆頭に福谷、柳の3人でしょう」 中日のエースは大野である。3度目の開幕投手の大役を任された昨年は、防御率タイトル(1.82)と奪三振タイトル(148)を獲得、勝敗は11勝6敗だったが、10完投、しかも6完封という驚異的な数字を残したことが評価され、開幕13連勝の巨人の菅野智之(31)を抑えて沢村賞に選ばれた。キャンプイン前から今季の開幕投手に指名されてもおかしくない存在である。 だが、与田監督は、あえて開幕指名を“封印”した。 中日の3月26日の開幕戦は敵地マツダに乗り込んでの広島戦。次のカードは巨人戦で、しかも本拠地バンテリンドームであることから、大野を開幕から外して巨人戦にぶつけるのでは?という予想がある。中日では落合博満氏が監督時代の2004年にエースだった川上憲伸氏を開幕投手から外して、ヤクルトからFA移籍後1勝もしていなかった川崎憲次郎氏をサプライズ指名。相手のエースとのマッチアップをずらすことで、川上が勝ち星を稼ぎ、そのシーズンに優勝したという例もある。 与田監督も戦略的に大野開幕を明言していないのではないか…そういう噂もファン、関係者の間では流れている。だが、与田監督は、その大野巨人戦先発説を笑って否定した。 「次の巨人を考えての煙幕? 全然ないですよ(笑)。開幕に投げることができるのであれば、わざわざ次の巨人戦にずらすようなことはしません」 ではなぜ絶対的エースを開幕指名しないのか。 そこには新型コロナの影響を受けている特別なシーズンへの与田監督の配慮がある。