急展開!マリナーズのマザーCEOが岩隈氏の英語力中傷など”失言問題”で電撃辞任
人種差別的発言などの“失言が大問題に発展していたシアトル・マリナーズのケビン・マザー球団社長兼CEO(58)が22日(日本時間23日)、電撃辞任した。マリナーズが公式発表したもの。 マザー氏が地元のロータリークラブ主催のZOOMミーティングで約47分間にわたって語った動画がYouTubeなどで拡散し大問題に発展していた。本人はすぐに謝罪声明を出したが、今季から特命コーチに就任した岩隈久志氏(39)のマリナーズ時代の語学力を中傷するなど外国籍選手に対する人種差別的発言が含まれており、地元のシアトル・タイムズ紙は「雇用を終わらせるべき(解雇せよ)!」の厳しい意見記事を掲載。もはや球団が解雇、あるいはマザー氏自身が辞任しなければ事態を収束できない状況になっていた。 この日、マリナーズの会長兼マネージングパートナーのジョン・スタントン氏は、マザー氏の辞任を受けて以下の声明を発表した。 「皆さんと同じように、ケビン・マザーの発言を知ったとき、私は非常に失望した。彼の発言は不適切であり、これは選手、スタッフ、ファンに対する私たちの組織の気持ちを表すものではない。彼の発言に弁解の余地はなく私も弁解はしない。クラブとパートナーを代表して、選手やファンに心からお詫び申し上げます」 マザー氏が問題発言をしたのは今月5日。ZOOMミーティングでイベント参加者らの質問に答え、新型コロナ禍におけるマリナーズの財政状況や、MLB選手会との話し合いの中身、有望な若手のFA取得時期を遅らせるために細工をしていたことなどを暴露した。失言のオンパレードだったが、なかでも問題になったのが、2012年から2018年までマリナーズでプレーした岩隈氏やドミニカ共和国出身のフリオ・ロドリゲス外野手らの語学力を「ひどい英語だった」と中傷した人種差別的発言の部分。 マザー氏は、「岩隈は今春季キャンプに来ているが、彼の現役時代の英語はひどかった。我々は彼の通訳への給料支払いにはうんざりしていた。我々は彼の通訳に年間7万5000ドル(約800万円)を払う必要があったが、彼は気にしていなかった。そのことを彼に伝えたら彼の英語はかなり良くなった」と発言していた。 この模様がYouTubeに投稿されて拡散。SNS上で大炎上となり、マザー氏は、謝罪声明を出したが、“焼け石に水”状態。マザー氏が2018年に球団の元女性職員の2人からセクハラ告発を受け、約50万ドル(約5300万円)を払って和解に持ち込んでいた過去のセクハラ問題も蒸し返され、球団トップとしての資質を問われていた。 地元紙のシアトル・タイムズ紙は、「単刀直入にいこう。マザー氏のマリナーズでの雇用を終わらせるべきだ。彼がこれ以上、この仕事をすれば、球団への非難をさらに深める」と、紙面で”解雇勧告”を突きつけるなど、その進退は崖っぷちに追い込まれていた。 マリナーズには、現在、菊池雄星が所属。マリナーズのユニホームを着て引退したイチローも会長付特別補佐兼インストラクターを務めている。任天堂が経営参画していた事情もあり、過去には佐々木主浩氏や城島健司氏ら日本人選手が活躍し、日米の国際親善に尽力した代表的なチームだったが、球団トップの失言は、その築きあげてきた信頼をも失墜させることになってしまった。事態を重く見た球団サイドは、早急に対応。マザー氏の電撃辞任という形で今回の問題に幕を下ろそうとしているが、問題の余波は、それだけでは収まりそうにはない。