８回、３連続代打を送る岡田監督（撮影・伊藤笙子）

　「巨人１－０阪神」（１２日、東京ドーム） 　九回２死から佐藤輝のバットがむなしく空を切り、阪神・岡田彰布監督は三塁側ベンチから厳しい表情で敗戦を見つめた。３安打完封負けで４年ぶりとなる東京ドーム負け越し。７回１失点と孤軍奮闘した西勇に白星をつけることもできなかった。「その通りちゃうの。そんなん、俺が言わんでも分かってることやんか」。虎将は自嘲気味な笑みを浮かべ、試合を振り返った。 【写真】佐藤輝ガックリ　両リーグワースト１９個目の失策で巨人に決勝点 　山崎伊に五回１死まで無安打に抑え込まれた。右腕の調子については「そうでもなかったんちゃう。飛ばしてたけどな」と攻略の余地を見いだそうとしたが、打線に快音は響かなかった。１点を追う八回には３人連続で代打を投入。３人目の島田が右中間へ二塁打を放ち、この試合初めて二塁を踏んだが、近本がバルドナードの前にあえなく空振り三振に倒れた。 　初回に佐藤輝の適時失策で失った１点が最後まで重くのしかかった。「そんなんも分かってるやんか。勝敗って、その１点やないか。俺一人で叫んだからな『ワンバン！』って。俺だけやった、恥ずかしかったわ、ベンチで」。三塁線の打球を好捕したが、ワンバウンドの送球を大山が捕球できず。記録は悪送球となったが、指示通りの送球に佐藤輝を責めることはなかった。 　相手は打撃好調だったヘルナンデスが左手首骨折で不在。２連投だった守護神・大勢もベンチを外れた。戦力ダウンを強いられていた宿敵だったが、最後は昨季まで阪神に在籍していたケラーに三者凡退で締めくくられた。逆転連覇へダメージの残る１敗となった。