トヨタのオジェがシーズン3勝目! サバイバルの様相呈したホームのWRCラリー・フィンランド制す
WRC第9戦ラリー・フィンランドは、多くのドライバーがトラブルに見舞われるサバイバルラリーの様相を呈したが、トヨタのセバスチャン・オジェがシーズン3勝目を挙げた。 TOYOTA GAZOO Racing WRTの拠点があるフィンランドでのホームラリーということで、トヨタは5台をラリー1クラスにエントリー。レギュラーのエルフィン・エバンスと勝田貴元、オジェやカッレ・ロバンペラといったパートタイム参戦組に加え、これがラリー1デビューとなる若手のサミ・パヤリがGRヤリス ラリー1を駆った。 その5台の中で苦しんだのが勝田だった。勝田は大会2日目の金曜日、SS5でのクラッシュで右リヤタイヤを破損し、デイリタイアとなってしまったのだ。 金曜日はヒョンデも苦戦。SS3で最初にコースインしたティエリー・ヌービルが終盤でオーバーラン。さらに2番目に出走したオット・タナクが立ち木にクラッシュし、ステージが赤旗中断となった。 幸いタナクは無事だったが、コ・ドライバーのヤルヴェオヤは病院に搬送され、経過観察が必要となったためタナクの8号車はリタイアとなった。 金曜午後のSS6では、エサペッカ・ラッピが路面の轍で挙動を乱してクラッシュ。こちらはデイリタイアとなり、ヒョンデは2日間の走行を残してヌービルの孤軍奮闘という形となった。 ライバルの苦戦により、トヨタは金曜日を終えた段階でロバンペラ、エバンス、オジェがトップ3を独占した。しかし土曜日のSS12で、エバンスがドライブシャフトのトラブルに見舞われた。修理に時間がかかってペナルティも受けたことで後退した。 さらに日曜日のSS19は、トヨタにとって悪夢のステージとなった。エバンスはSS19最初のコーナーでクラッシュ。2番手オジェに44.2秒という大量リードを築いて日曜日を迎えたロバンペラも、このステージで激しいクラッシュを喫したことで戦線離脱を余儀なくされたのだ。 これで首位に浮上したオジェは、パワーステージを5番手タイムで走りきり、総合2位のヌービルに40.1秒差で総合優勝を果たした。 3位はM-スポーツ・フォードのアドリアン・フルモー。4位は金曜日午前にはクラッシュもあったが、その後SS9ではステージ優勝も果たしたパヤリだった。 勝田は総合順位では26位に沈んだものの、スーパーサンデーで2位、パワーステージをトップで駆け抜け、合計11ポイントを獲得している。 デイリタイアせずにラリー・フィンランドを走りきったラリー1車両は4台のみというサバイバルとなった今回のラリー。ポイントリーダーのヌービルは、パートタイム参戦ながらランキング2番手につけるオジェと27ポイント差。マニュファクチャラーズランキングではヒョンデがトヨタを20ポイントリードしている。
Tom Howard